高利回り不動産投資を狙うなら工場・倉庫の坪単価に注目せよ!

人口減少を迎える日本では最近の不動産投資傾向として、マンション、アパート投資に加えて工場、倉庫など事業用不動産投資への関心が高まってきています。そこで、工場、倉庫投資で高利回り投資を実現するためのカギとなる売買で取得にかかる「取得坪単価」、新築時の「建築坪単価」、賃貸の「賃料坪単価」及び「維持費坪単価」を説明します。

 

売買で取得にかかる取得坪単価

取得坪単価とは工場・倉庫を取得するのにかかる坪当たりの金額です。この金額には土地にかかるお金と建物にかかる金額が含まれます。

工場、倉庫への不動産投資をする際に、考えなければならないのが、更地を購入して新築するか?古い老朽化した中古の工場や倉庫を購入するかという問題です。当然、新築の方が理想とするおしゃれな工場や倉庫を建てることができるので、一見理想にみえるかもしれませんが、不動産投資の成功は想定される家賃収入から逆算して取得費を計算しなければ理想の利回りは実現しません。

そこで、物件を探す際にポイントとなるのが、中古の工場や倉庫です。工場や倉庫を貸す際の賃料坪単価の相場は居住用不動産やオフィスと違い、新築と築30年の中古物件もあまり変わらないという特徴があるので、極力建物の取得単価を下げた方が利回りを確保しやすくなります。つまり、取得坪単価のうち建物にかかる金額を安く抑えることができればそれだけ利回りが高くなります。

 

新築時の建築坪単価

親から相続などで土地を取得した場合は、その土地に何を建てるかという問題にあたります。駅から近い物件や建蔽率が80%、容積率が400%などの物件はマンションやオフィスで法律の許容範囲を最大限活用し、高い建物を建てるというシュミレーションすることをお勧めします。また、その土地が駅から10分以上離れている物件などの場合は工場、倉庫を建てる選択も検討することをお勧めします。

新築をする場合に重要になるのが、建築の坪単価です。高層の建物やアパートやオフィスはやはり新築坪単価も高くなります。特に人口減少に対応すべくコンセプトを重視したり、デザイナーに発注したりすると当然に建築坪単価が高くなり、その建築費に見合った賃料坪単価を設定すると結果的には空室だらけで、賃料坪単価を下げて低利回り投資となってしまうパターンをよく見かけます。やはり、賃貸で利回りを確保するためには、賃料坪単価から見合った新築費用を設定しなければなりません。そういった角度から考えても、極力新築坪単価を抑えた新築は利回りを確保しやすく、ローコストの工場や倉庫建築の坪単価は約半値近くコストを抑えることができますので、高利回りを実現しやすくなります。建築は銀行などからの借入で建てる方がほとんどなので、工場、倉庫の新築は高利回りのメリットだけでなく、銀行の借入が少なく済むというメリットがあります。

 

賃貸坪単価

利回りを確定するのは賃貸で貸す時の家賃収入です。「家賃=床面積×賃料坪単価」ですので、工場、倉庫の賃料坪単価は地域や立地条件で変わってきますが、投資をする前に賃料坪単価相場をしっかり押さえることから始めなければなりません。賃料坪単価を決める要因はマンションやオフィスとは違ってきますので注意が必要です。工場、倉庫の賃料坪単価を決める上で重要なのは、駅からの距離や築年数などではありません。前面道路の幅員や用途地域、近隣環境や建物の天井の高さなでが賃料坪単価を決める上で重要な項目となります。賃貸の坪単価は専門の不動産会社に尋ねることやインターネットなどから調査することもできます。ここで注意しなければな

らないのが、賃貸でテナント募集している工場や倉庫の賃料坪単価はオーナーの貸希望価格なので、相場よりも大きく高く募集していることもあります。一円でも高く貸したいというオーナーの気持ちは理解しますが、その様な相場勘違いで賃料坪単価を間違えて把握してしまわないように、少なくとも10物件位の調査をすることをお勧めします。

 

表面利回りの計算方法

不動産投資では利回りをベースに考える投資家が多いです。いたってシンプルに表面利回りを計算する方法をご紹介します。表面利回りの計算方法としては、「年間賃料収入総額÷取得費=年利回り」となります。

重要なのは、自分では操作できない賃貸相場から想定賃料収入を計算し、理想とする利回りから取得費を割り出す計算をおこない、取得費または建築費の予算を決めることです。先ずは、候補物件がみつかったら、賃料坪単価を調べ、取得費を逆算する習慣をつけることをお勧めします。

工場や倉庫の表面利回りは5%から10%で取得している方が多いようです。マンションやオフィスは3%から7%で駅近物件だと欲しい方が多いので、利回りは当然少なくなります。

 

維持費坪単価

表面利回り以外にも、不動産経営をしていくうえで無視できないのが維持費です。

マンションやオフィスは賃貸で貸す以上各部屋の設備や共用部分のメンテナンスに費用が掛かりますが、工場、倉庫は何もない箱で貸して、箱で返してもらうので、設備はテナントが設置するのが慣習です。解約時には全て撤去してもらうので、設備のメンテナンス費用は基本的にはテナント負担になります。表面利回りがそのまま実質利回りになるのが工場、倉庫です。同じ利回りを求めるなら圧倒的に工場、倉庫が有利という見方ができます。

 

まとめ

上記の様に取得費坪単価、建築費坪単価、賃貸坪単価から表面利回りを計算することにより、適正な投資が計算できます。表面利回りの他に維持費坪単価の費用が投資には大きく影響することから、工場や倉庫の投資の有利な部分とされている賃貸運営の維持費も大きなメリットです。「箱で貸すから、箱で返してね」という基本賃貸ルールがあり、住宅のように、空調、壁紙、キッチンなど建築坪単価を上げるような設備費用はテナントが自分の費用で実施することが多いので、賃貸中の設備の故障などもテナントが自ら行います。つまり、設備の老朽化もオーナーはあまり考えることがなく、極力小さな出費で安定した利回りを確保できるのが工場倉庫への投資です。

この様に、取得坪単価、建築坪単価、賃料坪単価、維持費坪単価の4つの坪単価を通して、工場・倉庫の坪単価事情をみてきました。これら坪単価を計算して不動産投資を有利に進めてください。