使い道のない事業用不動産は売る?貸す?最適な有効活用法
事業で使用していた事業用不動産は、事業をたたむと同時に必要なくなります。使用することのなくなった事業用不動産をどうするべきか悩む所有者も多いことでしょう。使い道のなくなった事業用不動産にはどのような活用方法があるか、この記事では解説していきます。
事業用不動産とは?
事業用不動産とは、収益の獲得を目的に、所有または利用する不動産のことです。事業で使用する、事業所や自社ビル、店舗、工場、倉庫などが代表例としてあげられます。
また、所有することで利益を生む、賃貸経営のための投資用マンション、投資用のビル、投資用の一戸建てなども事業用不動産の一種です。
なお、不動産には自身が住むことを目的にした住宅もありますが、事業用不動産には含まれません。自身の生活のために使用するものであって、使用または所有することで利益を生む物件ではないためです。
使い道のない事業用不動産の活用方法
事業用不動産は、住宅と異なり、住むことを前提とした不動産ではありません。そのため、住宅と比べると、建物をそのままにして再利用するのは種類によっては難しくなります。
使い道がない事業用不動産はどのように活用できるのでしょうか。「売る」、「貸す」の2つの方法から使い道に困った事業用不動産の活用について解説します。
売る
使い道のない事業用不動産の活用方法のひとつは、売却です。遊休状態で固定資産税などの税金だけ支払っているような土地、赤字の投資物件など、所有することでデメリットが生じている物件は売却を検討します。
事業用不動産を売るメリットは、今後の管理維持費の支出から解放されること。そして、現金化できることです。赤字の投資物件ならキャッシュフローの改善が見込めますし、不動産のローンの支払いが完了していないならローン返済に充当できます。
所有するメリットが少ない場合は、事業用不動産を売却するのも選択肢のひとつでしょう。ただし、不動産を手放すことになるため、完全に収益は絶たれてしまいます。
貸す
使い道のなくなった事業用不動産は、自身で無理に使用するのではなく、他者に貸すこともできます。事業用不動産を貸すメリットは、土地を手放さなくても、継続した収入を得られることです。他者に貸すことで、固定資産税などの評価額が下がるため、節税にもなります。
貸す方法としては、土地だけを貸す方法、物件を建てて貸す方法、更地にして駐車場として貸す方法などが考えられるでしょう。
土地だけを貸し出す
まず、土地だけを貸し出す方法です。事業用不動産の場合、借り手も事業目的で使用することがほとんどでしょうから、事業用定期借地契約で貸し出すことをおすすめします。
事業用定期借地契約とは、借地権の一種で、事業用の用途として使用する場合にのみ選択できる、期間を定めて土地を貸し出す契約のことです。
事業用定期借地契約が普通借地権と異なるのは、原則として、契約期間の終了にともない、借り主は建物を取り壊し、更地にした状態で所有者に返還する契約であること。
10年以上50年未満の存続期間で契約する場合は、更新、期間の延長、建物買取請求権の適用をしないこととできます。土地の貸し出しで起こりやすい、期間終了にともなう引渡しのトラブルを回避するのに有効です。
土地を貸す所有者にとっては、契約期間中は継続して収入を得ることができますし、返還後のリスクも低いことから事業用不動産の活用方法のひとつに挙げられます。
物件を建てたうえで貸し出す
既存の建物を取り壊して新築、あるいは既存の建物をリノベーションするなどして物件を貸し出す方法もあります。投資用マンションやアパートの建築、既存の工場や倉庫のリノベーションなどが例です。
物件を建てて貸し出す場合は、オーナー自身が新築やリノベーションの費用を負担しなければなりません。コストはそれなりにかかりますが、ただ土地を貸すだけとは異なり、高い収益を上げられるのがメリットです。
駐車場として貸し出す
建物がある場合は建物を取り壊し、整地してから、駐車場やコインパーキングとしてスペースを貸し出す方法もあります。
駐車場として活用するメリットは、初期にかかるコストを抑えられること。駐車場から用途を変える場合であっても、大きな建物の取り壊しなどが発生しないため、比較的柔軟に対応できることです。
活用しやすい点ではメリットのある方法ですが、物件を建てて貸し出す場合などと比べると収益性は下がります。
以上のように、事業用不動産に手を加えて貸し出す方法もさまざまです。それぞれ、リスクや収益性の高さ、活用方法の変更の柔軟性は異なりますので、ご自身の目的に合わせて選択することをおすすめします。
事業用不動産の活用に迷ったらどこに相談する?
使い道のない事業用不動産の活用について紹介してきましたが、自己判断で実行に移すと、「思っていたのと違った」と活用に失敗することもあります。これは、事業用不動産は、住宅と比べて個別性が強く、状況も個々で異なるためです。
事業用不動産の活用に迷ったら、適切なアドバイスをくれるようなところに相談することをおすすめします。
不動産会社
事業用不動産の相談先としてまず挙げられるのが、不動産会社です。メリットは、土地活用について幅広いアドバイスを受けられること。相談をするなら、事業用不動産の扱いがある不動産会社を選ぶと良いでしょう。
タープ不動産情報は、事業用不動産に特化した会社で、売買や仲介、管理などワンストップでサービスを提供している、不動産業界最大級の工場や倉庫専門の不動産会社です。
事業用不動産について幅広くサポートを行っているため、売買、賃貸、どちらの対応もできます。オーナーにとって最適な事業用不動産の活用を提案できるのが強みです。
事業用不動産の実績が豊富にある不動産会社で、状況に合った活用法の提案をご希望でしたら、タープ不動産情報へご相談ください。
ハウスメーカー
ハウスメーカーとは、規模の大きい住宅建設会社をいいます。住宅の建築をメインにしている会社なので、事業用不動産を解体して、アパートやマンションなどの賃貸物件にし、貸し出したいときにおすすめの相談先です。
全国展開しているような会社が多く、短い工期で建設できる可能性が高いこと、安心感があることがメリットです。
ただし、ハウスメーカーの建築する住宅はある程度形が決まっています。メーカーによって得意な建物、どこまで細かな要望に応えられるかなど異なるため、事前のリサーチが必要です。
投資用に住宅を建てて貸し出したい場合は、早めに信頼できそうなハウスメーカーをピックアップしておきましょう。
金融機関
土地活用では、金融機関から融資を受けることがほとんどです。
事業用不動産を売却するのではなく、建物を建てるなどして活用したい場合は、金融機関も相談先のひとつとして検討できます。金融機関は、融資する際、土地や建物を担保にしますが、融資額を回収できるか収益性も検討した上で融資の判断を行うためです。
融資の打診をするという意味でも金融機関に相談する意味はあります。融資込みでの活用を考えているなら、金融機関に直接相談するのも良いでしょう。
以上のように、事業用不動産の活用については、いくつかの相談先が候補に挙げられます。それぞれ、得意不得意がありますので、活用形態に合わせて相談先を決めましょう。幅広い視点で活用方法を検討したい場合は、事業用不動産に強い不動産会社への相談がおすすめです。
まとめ
事業をたたむなどして使い道のなくなった事業用不動産でも、売却したり、貸し出したりなどで有効活用できます。重要なのは、適した活用方法を提案してくれる相談先を見つけることです。幅広い視点で提案を受けたいなら、事業用不動産に特化した不動産会社が適しています。