土地を資材置き場として賃貸経営する!メリット・デメリットを紹介
使っていない土地は放置するよりも、なんらかの形で運用して収入を得るのがおすすめです。特に資材置き場として賃貸経営を行うことは、比較的ハードルの低い土地活用です。この記事では、資材置き場の賃貸経営について、メリット・デメリット、注意点などを紹介します。
土地活用のひとつ「資材置き場の賃貸経営」
資材置き場は、その名のとおり業務用の資材を保管するスペースです。個人で利用するケースもありますが、法人の需要が高いです。
資材置き場は居住用不動産ではないので、どんな土地でも活用できるのが強みです。場所や環境は、ほとんど重視されず、繁華街から遠くても、日当たりが悪くても関係ありません。
強いていえば、運搬用の大型車が出入りできて、多くの資材を置ける広い土地が適しているでしょう。
資材置き場のメリット・デメリット
では、土地を資材置き場として賃貸する場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ見てみましょう。
メリット
資材置き場のメリットは以下のとおりです。
初期投資額を低く抑えられる
土地活用では、新しく建物を建てようとすると初期投資が高くなります。ローンを組んだ場合は長期にわたって返済をしなければなりません。
思ったとおりに借主が見つからずに家賃収入が途絶えてしまうと、資金繰りに行き詰る恐れがあります。
しかし、資材置き場として賃貸するのであれば、初期費用はほとんどかかりません。
ある程度の整地やセキュリティ対策(防犯カメラの設置など)、歩道があるところは車が出入りしやすいように切り下げの工事を行うくらいです。契約で合意すれば、その費用を借主に負担してもらうことも可能です。
回収すべき初期投資が低く抑えられるので、賃料の大半が利益になり、早いうちに黒字化することも可能です。
更地へ簡単に戻すことができる
資材置き場として賃貸していれば、契約が終了したときでも簡単に更地へ戻せます。
建物があると、取り壊さなければいけませんし、契約によっては借主の退去も簡単にできません。
土地の賃貸は、2種類あります。ひとつは民法が適用される賃貸、もうひとつは借地借家法が適用される賃貸です。
民法が適用される土地の賃貸は、50年以内 であれば自由に契約期間を定められます(民法第604条)。双方が合意すれば、途中で解約できる特約をつけることも可能です(民法第618条)。
一方、借地借家法が適用される土地の賃貸は、一般定期借地権を設定すると貸主から一方的な 途中解約はできません。契約が満了しても借主から更新の希望があると、貸主側は正当な理由が無い限り拒否できなくなります。正当な理由とは、「ほかに自分が住むための土地が無い」などです。
事業用定期借地権であれば、30年未満の契約なら更新が無く、借主が貸主に建物の買い取りを請求する権利も発生しません。ただし、最低でも10年以上の契約が必要です。
どちらが適用されるかは、建物の有無で決まります。資材置き場は、建物が無いので適用されるのは民法です。
ただし、コンテナハウスのように、簡易でありながら継続的に利用できる建物があると、借地借家法が適用される恐れがあります。だからといって、すぐに撤去できるような状態にするのは、違法建築と見なされるかもしれません。
こうしたトラブルを防ぐためにも、資材置き場として賃貸するときは、建物を一切作らないという一文を契約書に明記しておくと安心です。
賃借人が土地を管理してくれる
使っていない土地は、放置すると雑草が生えて荒れ放題になります。いつのまにかゴミが投棄されるなどの被害を受けるかもしれません。
資材置き場として賃貸していれば、借主が資材とともに土地も管理してくれます。もちろん、土地そのものになんらかのトラブルが発生したら対処しなければいけませんが、それ以外に関しては任せて大丈夫です。オーナー自身が行うことは、契約どおりに使われているか、定期的に確認するくらいです。
デメリット
このように資材置き場としての賃貸は、手間がかからず、早いうちに利益が出るのがメリットです。
とはいえ、もちろんデメリットもありますので、土地活用の前に確認しておきましょう。
収益性は低い
資材置き場のように土地をそのまま賃貸するのは、建物を作ったり、駐車場にしたりするのと違って、高い賃料は取れません。初期費用がほとんど発生していないからです。
一般的に土地の賃貸で賃料を設定するときは、主に4種類の方法があります。
まずは、公租公課から算出する方法です。土地であれば固定資産税や都市計画税が該当します。固定資産税は固定資産税評価額の1.4%、都市計画税は0.3%です。この合計を住宅地なら3~5倍、商業地なら5~8倍した金額が年間の賃料になります。
例えば1,500万円の土地なら、
{(1,500×1.4%)+(1,500×0.3%)}×3~8=(21+4.5)×3~8=76.5~204
となり、80万円から200万円くらいが目安です。
期待利回りから算出する方法もあります。いわゆる「積算法」です。土地の価格に期待利回りを掛け合わせ、税金など毎年の諸経費を加算します。
もし、先ほどの土地に対して年2%の利回りを期待しているのであれば、「1,500×2%+諸経費」が年間の賃料です。この場合は60万円前後が目安となります。
類似した取引の事例を参考にする方法もありますが、資材置き場の事例は見つけるのが難しいかもしれません。
どの方法で算出しても、土地だけでは元となる価格が低いため、高い賃料にはなりません。無理に高くすると、相場とかけ離れて借主が見つからない恐れがあります。
各種税金の軽減措置が受けにくい
資材置き場として賃貸するのは、固定資産税や都市計画税の軽減措置を受けにくいのがデメリットです。
土地にアパートやマンションなどの住宅用家屋を建てて「住宅用地」にすると、200平方メートル以下までは固定資産税が1/6、都市計画税が1/3になります。それを超える部分は1/3と2/3です。
資材置き場は非住宅用地なので、各種税金の軽減措置はありません。
トラブルが発生することがある
資材置き場は、頻繁に大型車が出入りするため、そのたびに振動や騒音、粉塵が発生します。土地が住宅街の中にある場合は、周辺の住民からクレームが入るかもしれません。
あくまでも原因は借主にありますが、放置すると貸主が賠償責任を負う恐れがあります。そうならないよう、借主に働きかけて改善しなければいけません。
また、陥没したり崩れたりするなどして、借主が土地を十分に利用できない場合も、借主に修繕する義務があります。
資材置き場に向いているオーナー
メリットやデメリットを踏まえた上で、どのようなオーナーが資材置き場としての賃貸に向いているのか見てみましょう。
初期投資額を低く抑えたい
早く利益を出すには、初期投資額を抑えるのが一番です。建物を作らず、そのままの状態で賃貸できる資材置き場は、初期投資額を低く抑えたいオーナーに向いています。
土地活用に手間をかけたくない
資材置き場として賃貸するのは、土地をそのままの状態で引き渡せるので、すぐに活用を始められます。賃貸中も、トラブルが発生しなければ、ほとんど手間はかかりません。
将来的には別の土地活用を考えている
先述のとおり、資材置き場として賃貸するのは民法が適用されるので、契約期間は自由であり、特約で途中解約も可能です。また、建物が無いので更地にするのも難しくありません。将来的に別の活用方法を考えているなら、それほど手間がかからずに転用できるでしょう。
資材置き場の賃貸経営ならタープ不動産情報にご相談ください!
資材置き場として賃貸するのは、ほかの運用方法よりも手軽で簡単ですが、万が一トラブルが発生したときは対処しなければいけません。また、適切な契約をしないと、後で揉める可能性もあります。そもそも、借主が見つからなければ賃料を得られません。
タープ不動産情報では、土地の賃貸をサポートしてきた実績が豊富なので、オーナー様に最適な土地の活用方法をご提案できます。借主を見つけたり、賃貸後に管理を代行したりするのも可能です。
土地の活用でお悩みの際は、ぜひご相談ください。
まとめ
土地を資材置き場として賃貸すると、初期投資が不要なので早く利益を出せて、管理の手間もかからないというメリットがあります。契約を短期間にするのも可能です。初期費用を抑えたかったり、手間をかけたくなかったり、いずれ別の目的で土地を活用したいオーナーに向いています。