倉庫の活用方法とトラブルの対処法について

使わなくなった事業用の倉庫を保有したままだと、ランニングコストばかりかかってしまいます。どうすれば良いかわからずそのまま放置しているようなケースもあるでしょう。この記事では、使わなくなった倉庫をどう活用できるか、活用法から注意点まで紹介します。

使わなくなった倉庫の活用法4つ

使わなくなった倉庫をただもち続けるのはもったいないです。使わなくなった倉庫も、さまざまな方向で活用できます。

違う業態で使う

倉庫を倉庫として使うのではなく、倉庫の形を活用して、まったく違う業態に変える方法があります。倉庫所有者は、既存の倉庫を活用して新たな事業をはじめることが可能です。

倉庫リノベーションによる活用のメリットは、倉庫をさまざまな形に変えて使えることです。倉庫の活用事例は増えていますので、飲食店やオフィス、ショップのほか、ロッククライミングの練習場、マンガ喫茶、イベント会場など、さまざまな可能性が広がります。

すでにある倉庫を活用しますので、土地の購入から考えずに済むのもメリットといえるでしょう。

ただし、既存の倉庫をそのまま利用することは難しく、リノベーションが必要です。リノベーションの費用が事業開始前にかかるデメリットがあります。また、所有者自らが事業を行うため、経営リスクも避けられません。

誰かに貸す

倉庫を他者に貸し出すのも、倉庫活用方法のひとつです。倉庫をそのまま倉庫として貸し出すほか、レンタルスペースなどとしても貸し出せます。

使わなくなった倉庫を貸すメリットは、賃料という収入を得られることです。事業者に貸し出せば、長期に渡って安定した収入を見込めます。また、内装にかかる費用はテナントもちですので、自らリノベーションして経営するより負担が少ないです。

倉庫を貸し出すデメリットは、入居や退去、修繕などの管理が必要になることです。また、周辺とのトラブルなど、何らかのトラブルが生じた場合、内容によっては倉庫のオーナーが責任を負うリスクもあります。

売却する

倉庫をその状態のまま売りに出すのも、使わなくなった倉庫活用方法のひとつです。売却ですので、倉庫自体を手放すこととなります。

倉庫のまま売却するメリットは、売却によってまとまった現金が入ってくることです。売却によって得た現金は、事業資金などに回せます。所有しているだけで発生する固定資産税の負担がなくなるのも売却のメリットといえるでしょう。

デメリットは、譲渡所得税がかかる可能性があることです。譲渡所得税は、以下の計算を行ったとき、課税対象になる所得がある場合に発生します。

収入額-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税譲渡所得額
課税譲渡所得額×税率=譲渡所得税

また、売却は資産を手放す方法です。あとで倉庫を使用したいと思ったとき、同じような資産を容易に取得できない可能性もあります。

テナント仕様で店舗として建て替える

テナントを建て替えする選択肢もあります。解体して更地にした土地は、別の建物を建てるのに使用しても良いですし、更地のまま売却することも可能です。建物を解体するメリットは、活用の選択肢が広がること、売却時のさまざまなニーズに応えられることが挙げられるでしょう。

デメリットは、テナントの建て替えには費用がかかることです。建て替え費用は売値に上乗せすることが難しいため、結果として解体することで費用ばかりがかかり、マイナスになることもあります。

倉庫を解体後の土地も活用できる?

倉庫を解体したあとの土地は、別の目的のために整備して活用することが可能です。解体後どのように活用できるのか、解体後の活用例をいくつか紹介します。

月極駐車場やコインパーキング

狭い土地など変形した土地でも活用しやすいのが、月極駐車場やコインパーキングです。月極駐車場は主に住宅街やオフィス街で、コインパーキングは主に繁華街などで需要が見込めます。

いずれも工事にかかる費用が少なく、少ない資金からはじめられるのがポイントです。駐車場に設置する建造物は多くないため、撤去も簡単で、ローコストで転用もできます。

注意点は、駐車場で起こりやすいトラブルの対処が必要なことです。駐車場内の事故、代金の滞納、車上荒らしなど、トラブル防止の対策が必要でしょう。

個別の貸し倉庫

土地にコンテナなどを立て、個別の貸し倉庫にして事業とする方法もあります。貸し倉庫に必要なコンテナやプレハブは荷物を置くためのものですので、必要な設備が少なく、同じ土地を住宅にするより安価です。

月極駐車場やコインパーキングのように少ない初期費用で開業できます。撤去がしやすいのもポイントです。

貸し倉庫として事業をはじめる場合、荷物の管理込みでサービスを提供するのか、収納スペースのみを提供するのか、ふたつの業態が考えられるでしょう。

業態によっては登録申請が必要など、諸手続きが必須です。貸し倉庫にする場合は、どのような業態にするか、開業にはどのような手続きがいるのか確認する必要があります。

倉庫の活用にともなうトラブルを防ぐには?

さまざまな形で活用することができる倉庫ですが、活用の仕方によってはトラブルが起きる可能性もあります。ここでは、トラブル防止のためのポイントを紹介します。

近隣住民には十分な説明を

倉庫を以前のように倉庫のまま使用するのであれば、大きなトラブルは起きないかもしれません。しかし、業態を変えて倉庫を使用する場合、倉庫を物件として貸し出す場合は注意が必要です。

以前のように倉庫とは異なる使用をすることによって、騒音、振動、異臭などが発生し、トラブルになる可能性があります。特に周辺に住宅がある場合は、細心の注意が必要でしょう。

トラブルを放置したり、苦情を聞き入れなかったりすると、事業にも影響を及ぼすことがあります。業態を変える場合、あるいは賃貸によって何らかのトラブルが予見されるときは、実行前に近隣への丁寧な説明が必要です。しっかり説明を行い、近隣から理解を得ておくようにします。

賃貸では契約書に明記を

倉庫を、業態を変えて自己で使用している場合のトラブルへの対処は、使用時間の変更、防音、防臭など、どれも自己対処できます。問題は、テナントに物件を貸している場合です。

テナントに問題を解決してもらわなければならないため、思うようにトラブルを解決できないこともあります。賃貸の場合は、契約を交わす段階で、起こりうるトラブルを推測し、契約書で事前に示しておくことが重要です。

書面で契約内容を示す契約書には、禁止事項、トラブルが起きたときなどの責任の所在、契約解除を行使する条件などを明記しておくと良いでしょう。契約を交わしていれば、トラブルが発生してもすぐに対処しやすいです。

実績の豊富な業者に相談する

倉庫から別の業態への変更、テナントへの貸し出しによる近隣とのトラブルを例に挙げましたが、ほかにもさまざまなトラブルが考えられます。契約の時点で禁止事項や契約解除の例を示しておかないと、転貸などによる複雑なトラブルに発展することもあるでしょう。

いずれにおいても、使っていない倉庫の業態を変更したり、貸し出したり、活用を考えているのであれば、実績のある業者に相談することをおすすめします。実績豊富な事業者では、トラブルを未然に防ぐノウハウが蓄積されているためです。

タープ不動産情報は、リノベーションから賃貸、売却、解体まで物件の活用について幅広い対応ができます。事業用不動産の実績も豊富で管理も行っておりますので、しっかりしたサポートが可能です。

倉庫の活用についてお考えなら、まずはタープ不動産情報へご相談ください。

まとめ

使っていない倉庫でも工夫次第でさまざまな活用ができます。しかし、業態の変更や賃貸などによってトラブルが起こる可能性もゼロではありません。リスクを減らしつつうまく運用するには、実績のある業者に相談するのが近道です。