駅から遠い賃貸物件でも借り手を見つけるには?貸し主ができる対策とは

都心部のように電車が主な交通機関であると、駅から遠い物件はアクセスが不便なため、借り手が限られてしまいます。そんな物件でも借りてもらえるようにするには、どうすれば良いのでしょうか。貸し主ができる対策方法を紹介します。

駅から遠い物件にも確かな魅力がある

駅から遠いだけで、その物件の価値がまったく無くなるわけではありません。駅に近い物件にはない魅力があるものです。

駅から遠い物件のメリット

駅から遠い物件は、車での利用を前提にしているところが多いため、ほとんどが駐車場を備えているか、備えられるだけのスペースがあります。車を主な移動手段にしている人にとっては、駐車場のある物件のほうが便利です。

また、駅から遠い物件の多くは、駅に近い物件に比べて、静かで治安が良いという傾向があります。事業用の物件でも落ち着いた環境を求める借り手にはうってつけです。

もちろん、人目の付きやすさでは駅に近い物件のほうが有利かもしれません。けれども、最近はインターネットやSNSで、全国どこにでもアピールできます。その物件で営むのが独自性のある店舗であれば、足を運んでくれる客も多いはずです。

逆に、ターゲットを広げず、その地域に根差した店舗として営業することもできます。表通りから外れていて、人目に付きづらい場合も隠れ家的な店舗として営業すれば、需要はあるはずです。

貸し主側からそのような提案ができれば、借り手も見つかりやすいでしょう。

駅から遠い物件のデメリット

もちろん、駅から遠いのは車で移動できない人にとってデメリットです。通常、「徒歩〇分」という表記は、1分あたり80mが目安です。駅から15分もかかると、1km以上歩かなければならず、利用したい人にとっては大きな負担になります。

バスの停留所から近ければ、まだ利用しやすいかもしれませんが、便数が少ないとバスの時間にスケジュールを合わせなければいけないのが難点です。

駅から遠い物件を改装するときは、駅が近くにないと需要を見込めない業種に特化し過ぎないよう、注意したいところです。不特定多数の来客を想定していたり、回転率を重視したり、車をもたない低年齢層をメインターゲットにしていたりするケースが該当します。

駅から遠い賃貸物件の貸し主ができる対策とは

では、駅から遠い物件を保有している貸し主が、借り手を見つけやすくするためには、どのような対策がとれるのでしょうか。

ほかの物件との差別化を図る

駐車場があるというのは、車で利用したい人にアピールできるポイントになります。現在、駐車場が無くても、敷地内にスペースがあるなら、改装して設置しましょう。

もし、敷地いっぱいに物件が建てられている場合は、近隣に駐車場用の土地を確保できるか検討したいところです。ほかの駐車場と提携する方法もあります。

賃料を安くできるところも、借り手にとってはメリットです。都心部で駅から遠いと、固定資産税が安くなる傾向があるので、賃料を安くしても利益を出しやすくなります。

リノベーションをする

築年数の経っている古い物件は、リノベーションすると、借り手にアピールしやすくなるでしょう。住宅にするのはもちろん、オフィスにリノベーションするのも、借り手は初期費用を抑えつつも、新築のように使えます。

ただし、店舗や施設にリノベーションする場合は注意が必要です。

借り手は店舗の独自色を出すため、初期費用をかけても自ら内外装をしたいという気持ちがあります。

すでにリノベーションされていると、内容によっては店舗の独自色を打ち出しづらくなります。どんなに優れたリノベーションでも、すべての借り手のニーズを満たすことはできません。

もちろん、初期費用を抑えたい借り手にとっては助かりますが、利用客からすると新鮮味を感じられないのがデメリットです。そのような店舗は、なかなか長続きしません。借り手が変わっても内外装が変わらないなら、やはり同じ結果になってしまいます。

これでは、せっかくのリノベーションが無駄になってしまうでしょう。

そのため、飲食店やショップ向けに貸し出すときは、借り手が不便に感じない程度のリノベーションにとどめ、スケルトンの状態で引き渡せるようにするのがおすすめです。

たとえば、電気や水道は引き込んであり、空調も使えますが、それ以上の設備は借り手に導入させます。壁や床はコンクリートやモルタルなどの素材が剥き出しで、天井も配線や配管が丸見えですが、内装を自由にデザインできるのがメリットです。

退去時に原状回復する決まりであれば、次の借り手も新たな内装を施せるでしょう。この方法であれば、借り手が入れ替わるたびに、貸し主がリフォームやリノベーションする負担も減らせます。

周辺に同様の施設があると、客の奪い合いになってしまうため、自ら経営するのはもちろん、誰かが借りて運営するのも利益を出すのが大変です。リノベーションの前に入念なリサーチをして、どれくらいの需要を見込めるのか割り出しておきましょう。

専門家のアドバイスも参考になります。

駅から遠い賃貸物件の借り手がなかなか見つからないときは?

実際に駅から遠い物件を保有していながら、貸し主自身で対策をしても借り手が見つからないときは、どうすれば良いのでしょうか。

仲介会社を再検討するのもひとつの方法

物件を誰かに貸し出すときは、仲介会社を利用して借り手を見つけるのが一般的です。仲介会社は貸し主と媒介契約を結び、広告を打ち出して借り手を探し、賃貸借契約が成立すれば仲介手数料を貸し主から受け取ります。

媒介契約は、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類です。

一般媒介契約は同時に複数の仲介会社に借り手探しを依頼できますが、それぞれの仲介会社にとって利益になりにくいため、あまり力を入れてくれない恐れがあります。

逆に専任媒介契約は、ひとつの仲介会社にしか依頼できないため、力を入れてくれそうですが、ターゲットにアプローチできていないと、やはり借り手は見つかりません。

専任媒介契約の期間は最大で3ヶ月ですから、それでも見つからなかった場合は、仲介会社の変更を検討するほうが良いでしょう。違う視点からアドバイスを受けられたり、アプローチできたりするので、意外と簡単に借り手が見つかる可能性があります。

仲介会社の得意分野を確認

不動産を仲介する会社は数多く存在しますが、それぞれに得意分野は異なるものです。同じ賃貸用の物件でも、住宅用と事業用ではターゲットもアプローチの方法も別物になります。

そのため、仲介会社を選ぶときは、得意分野を確認しましょう。事業用の物件を貸し出すのであれば、同じような物件の借り手を見つけた実績の多い会社を選びたいところです。

そのような情報は仲介会社のWebサイトで確認できます。ほかの貸し主からの評判や、口コミも参考になるでしょう。

仲介・管理実績の豊富なタープにご相談ください

タープ不動産情報は、倉庫や工場の賃貸や売買に特化しており、管理棟数が600棟にのぼります。

また、事業用不動産専門のマッチングサイトを運営しており、全国のターゲットへのアプローチが可能です。物件情報はWeb上に掲載するだけでなく、メールマガジンでも配信しております。

さらに、豊富なノウハウで借り手を見つけるための提案ができるのも、弊社の強みです。駅から遠い物件の借り手探しでお悩みの際は、ぜひご相談ください。

まとめ

駅から遠い物件でも、駐車場を確保できたり賃料を安くできたりするなど、駅に近い物件には無いメリットがあります。古い物件は使いやすいようにリノベーションすると、借り手を見つけやすいでしょう。仲介会社を変更するのも効果的です。