倉庫を貸す際に知っておきたいトラブル!事前に回避しよう
使わなくなった事業用の倉庫を貸したいと考えているものの、事業用だからこそのトラブルが不安でなかなか賃貸に踏み切れないオーナーもいるのではないでしょうか。倉庫の賃貸によるトラブルは事前の対策である程度回避することが可能です。この記事では、倉庫を貸すことで起こり得るトラブルの内容と対策について解説します。
倉庫を貸す際に起こり得るトラブル①悪質なトラブル(騒音、振動、臭い)
倉庫をテナントに貸すことで、騒音、振動、臭いなどの問題が起こることがあります。いずれも近隣の住人とのトラブルに発展しやすい問題です。
苦情につながりやすい機械
倉庫の活用事例にはさまざまなものがありますが、テナントが倉庫を工場として利用する場合は注意が必要です。工場といってもさまざまですが、使用する機械によっては騒音の苦情につながりやすいものもあります。
たとえば、金属同士をぶつけてプレスするプレス機械、金属を切断するせん断機、帯鋸盤などの木材加工機、大きな回転音がするターボ型送風機などです。
騒音トラブルに発展する可能性のある機械をテナントが導入する場合は、周辺の理解を得られるか、近くに住宅がないかなど、状況を踏まえたうえで貸し出すのが良いでしょう。
騒音対策を
倉庫の利用で騒音が発生することが考えられる場合は、騒音対策を行うことで音を軽減できることがあります。方法としては、以下のような対策が考えられるでしょう。
・遮音や防音できる建材を天井や壁に使用する
・原因となる機械に防振装置の取り付け、制振処置を行う
・二重構造にするなど、窓や扉といった工場の開口部に防音処置を施す
問題は、騒音対策を行うための負担を誰がもつかということです。オーナー負担ではなく、テナントの責任とするためにも、契約書に騒音や振動、臭いの対策に関する負担はテナント側で行うよう明記しておきましょう。
また、テナント側で実施する騒音対策が不十分にならないためにも、あらかじめどのような騒音対策をするべきか構造まで指定しておくのが得策です。
責任の所在を明確に
倉庫を貸したことで起こる、騒音、振動、臭いといったトラブルは、テナントの責任だけに収まるとは限りません。トラブルを予期できた、必要な対策を取らなかったということで、倉庫のオーナーにも損害賠償の請求が行われることもあります。
オーナー側の被害を大きくしないためにできることは、責任の所在をあいまいにしないことです。契約を結ぶ段階で、騒音や振動、臭いなどのトラブルがあったときに誰が責任をもつか、契約書に明記するようにしましょう。
賃貸によって発生したトラブルについては、テナント側に責任をもってもらうのが良いです。テナント側の責任と契約書に明記することで、倉庫オーナーは、テナントに責任があると主張できます。
倉庫を貸す際に起こり得るトラブル②賃料滞納
貸し出した倉庫について、賃料が支払期限までに払われず滞納が発生するリスクもあります。
賃料の滞納リスクがある
テナントの経営状況次第では、賃料の支払いが滞り、賃料が滞納となるリスクがあります。倉庫を貸し出しているオーナーは、賃料による収入を期待して賃貸に出しているはずですが、滞納が起こると期待していた収入を得ることができません。
収入が途絶えてしまうことはもちろん、滞納中、物件を維持するためにかかる固定資産税などの費用はオーナーが負担しますので、非常に悩ましい問題といえるでしょう。
このような賃料滞納のリスクは、当初経営がうまくいっていた会社でも起こり得ることです。経営が悪化した場合、取引先への支払いなどが優先され、賃料は後回しになる傾向にあるため、場合によっては滞納が長期化することも考えられます。
支払いが遅れたら対処
賃料滞納を解決するために、訴訟を起こさなければならないこともあります。しかし、テナントの状況、滞納額次第ではすぐに解決できるとは限りません。
訴訟を起こしても滞納分を回収できずコストと手間だけがかかることもありますし、場合によっては契約解除が認められないこともあります。滞納の問題が解決できたとしても、相手が立ち退かない場合は、別で強制退去の手続きも実行しなければなりません。
オーナーにとって不利な状況を作らないためにも、滞納が起きたらすぐに督促をして、相手が応じたときは支払期限などを明記した合意書を作成するなど、早期に対処することが重要です。滞納の初期に手を打つことで、手間やコストのかかる訴訟を避けることもできます。
トラブルで困った際は、訴訟をする前にそれ以外の解決策を考えてみましょう。どうしても一人で解決できないとなった際は、タープ不動産情報にお問い合わせください。
倉庫を貸す際に起こり得るトラブル③転貸
倉庫を貸す場合、転貸トラブルが起こることもあります。
転貸される可能性
転貸とは、倉庫を貸しているテナントが、別の会社や個人などに貸し出すこと、つまり又貸しを指します。転貸は、信頼関係で成り立つものですので、倉庫オーナーが承諾している場合は、テナントが転貸しても問題にはなりません。
トラブルに発展するケースで多いのが、テナントによる無断の転貸です。無断で転貸が行われることの問題は、オーナーがどのような形で倉庫が使われているか把握できなくなること。
テナントとオーナーの間のシンプルな契約であれば、テナントがどのように倉庫を利用しているか把握しやすいですが、転貸されていると状況を把握することが難しくなります。
転貸されることによって、オーナーも想定していない倉庫の使われ方がされ、周辺から苦情が来る可能性があることが大きな問題です。
転貸は繰り返される
テナントが転貸して、テナントから倉庫を借りた会社が利用している場合であれば、実際に使用している会社を特定できます。しかし、転貸は1回だけで済むとは限りません。
経営が苦しくなったなどのさまざまな事情で、転貸に転貸が繰り返され、複数の会社が転貸に絡んでくることもあります。
転貸が複数にまで及ぶと、オーナーは、誰が実際に倉庫を使っているのか把握が困難です。倉庫の利用者を把握できなければ、本来必要であった利用方法の指導もできなくなりますし、責任の所在も怪しくなります。
転貸が繰り返されたことにより起きたトラブルで、物件のオーナーが責任を問われた事例もありますので、契約時に転貸を禁止する内容を明記しておくなどの対策が必要となるでしょう。
トラブルを避けるためには
使わなくなった倉庫のテナントへの貸し出しは、倉庫の活用方法のひとつとして考えられます。安定的な賃料が得られるなどメリットがありますが、貸し出すことでトラブルが起こることもあるでしょう。
騒音や臭い、あるいは滞納や無断転貸といったトラブルを防ぐためには、貸し出す際にテナントに確認をして、契約書に明記しておくなどの対策が重要です。
しかし、どのような対策を取っておけば良いか、何が適切な方法か良くわからない、合っているか不安という気持ちも大きいかもしれません。
倉庫の貸し出しをお考えなら、倉庫の売買だけでなく、倉庫の管理までワンストップで行えるタープ不動産情報へ。
タープ不動産情報では、トラブル解決の実績もありますので、何かトラブルが発生したときの仲介役としてもご活用可能です。倉庫を貸し出すことによるトラブルが心配で、なかなか貸し出すまで至らないというオーナー様もまずはご相談ください。
まとめ
倉庫の貸し出しでトラブルが起こることもあります。事業用倉庫の賃借人は法人であることが多いため、特に問題となりやすいのが、騒音や振動、臭い、また賃料滞納や転貸といったものです。
必要な対策を行っていない場合など、トラブル次第では、オーナーに損害賠償の請求が来ることもあります。このような倉庫の賃貸によるトラブルを防ぐためには、信頼できる不動産会社に相談し、適切な形で貸し出しを行うことです。