倉庫のテナント募集をしたい!良いテナントの条件とは?

使っていない建物を倉庫にして貸し出すと、住まいとして貸し出すのとは違ったメリットがあります。けれども、テナントが決まってくれないと賃料が入りません。どのような倉庫ならテナントが決まりやすいのか、経営にあたっての注意点を紹介します。

倉庫としてテナント募集をするメリット・デメリット

最初に、建物を倉庫にしてテナントを募集するメリットとデメリットを、住まいとして貸し出す場合と比べながら見てみましょう。

メリット

まずは、市街地でなくても需要がある点です。住まいであれば、どうしても駅までの近さやアクセスの良さが重視されるため、郊外にある物件は不利です。周辺の利便性にも左右されます。

一方、倉庫であれば車の利用が前提となるので、必ずしも駅までの近さや周辺の利便性は重視されません。むしろ、倉庫の広さや、駐車場の有無が重視されます。郊外にあって住まいには不向きな物件でも、倉庫なら需要を見込めるわけです。

次に、「内装に凝らなくても良い」というメリットがあります。住まいと違って、倉庫はテナントが目的に合わせて内装を施しますから、どんなアレンジでも自由にできるよう、シンプルな構造にするのがおすすめです。

すでに倉庫があるなら、ちょっとした手入れをするだけで貸し出せるので、すぐに不動産経営を始められます。初期投資を抑えられるのも魅力です。

入居者の対応にかかる手間も、住まいとして貸し出すよりは少なくなります。住まいの入居者はそれぞれに生活のリズムが異なるため、問い合わせる時間帯もまちまちです。ときには深夜に対応を求められる場合もあります。

倉庫のテナントなら、各事業者の営業時間内に対応を求められるのが一般的です。夜間や休日に問い合わせが来るのは、ほとんどないでしょう。

デメリット

逆にデメリットは、住まいとして貸し出すよりも景気に左右されやすいところです。かつて、海外へ工場や物流の拠点を移す企業が増えたため、多くの倉庫が空いてしまう状況が発生しました。

ただし、近年は倉庫を飲食店や販売店、アミューズメントなど、異業種で使うテナントが増えています。インターネット通販の普及により、本来の倉庫としても人気です。

用途を限定しない倉庫であれば、ある業種で景気が悪くなっても、別の業種で需要が見込めるかもしれません。

ほかにも、「退去のリスクが大きい」というデメリットがあります。マンションやアパートなど、住まいとして貸し出す場合は部屋数が多いため、ひとつだけ空きが生じても、それ以外の部屋でカバーできるでしょう。

けれども、倉庫に入れるテナントは限られています。ひとつのテナントだけで倉庫を全部使っていると、退去したときのダメージは相当なものです。すぐに次のテナントが見つかる保証もありません。

こうした事態に備えて、普段から手元資金を多めに確保するなど、経営を維持できる対策が必要です。退去が決まったらすぐに次のテナントを見つけられるよう、不動産会社と相談するのも良いでしょう。

倉庫の賃貸経営をする際の注意点

メリットの多い倉庫の賃貸経営ですが、いくつか注意点があります。いざ経営して困らないように確認しておきましょう。

1.トラブルへの対策は万全に

倉庫を貸し出すと、内装はすべてテナントが手がけるので、貸主の費用負担はありません。だからといって、任せっきりにするとトラブルの原因になります。どのような目的で倉庫を使うのか、必ず書面で明確にしておきましょう。

なぜなら、倉庫の所在地によっては用途が定められているからです。例えば「第一種住居地域」である場合、販売店や飲食店にはできますが、カラオケ店や倉庫として利用することはできません。逆に「工業地域」では、販売店や飲食店としての利用が不可能です。

また、業種によっては防火対策や空調設備、避難経路など一定の基準を満たさなければいけません。違反すると建築基準法や消防法に抵触する恐れがあり、事故などが発生したときに建物の所有者や管理者が責任を問われる可能性があります。

そのため、テナントに貸し出すときは、どのような目的で使うのか契約書に明記してもらい、図面や許可証にも目を通しておくと良いでしょう。どんなに些細なことであっても、口約束で済ませず、契約書に明記するのが原則です。

テナントが退去して原状回復するときも、あらかじめどこまで負担するのか契約書に明記しておくと、トラブルを防げるでしょう。

2.長期で入居してくれるテナントを探す

貸主が借主と賃貸借契約を結ぶとき、住まい用の物件であれば、1回の期間を2年に定め、以降は借主に継続の意向があれば、更新されるのが一般的です。

一方、事業用の物件は賃貸借契約の期間が異なり、安定した家賃収入を得るためには、長期で入居してくれるテナントを探すほうが良いでしょう。

長期で入居してもらうには周辺の環境はもちろん、倉庫の使い勝手も重要です。必要に応じて、いつでも自由にレイアウトを変えられるような柔軟性があると良いでしょう。特にテナントが重視するのは「天井の高さ」です。

天井が高いほど空間が広く見えるため、多くの業種に需要があります。けれども、天井の高さは簡単に変えられません。高い天井を低くするのは、既存の天井から石膏ボードを吊るせば可能ですが、低い天井を高くするのは建物を壊さない限り難しいでしょう。

ひとつの階で天井まで4.5m以上あるのが目安になります。

3.信頼できる不動産会社と連携していく

倉庫のテナントを自分で探して、管理まで手がけるのは大変です。万が一トラブルが発生すると負担が大きくなります。法律の知識も必要です。不動産会社に依頼すると、少ない負担で不動産経営ができるでしょう。

ただし、不動産会社によって強みは異なり、集客が得意なところや管理業務が得意なところなどさまざまです。できるだけ、ひとつの不動産会社で集客から管理業務まで対応できると安心です。

そのような不動産会社を見つけるのも、賃貸経営では不可欠といえます。

倉庫テナントの募集ならタープ不動産情報へ

タープ不動産情報は、賃貸用の倉庫や工場を専門に取り扱う不動産会社です。取り扱う物件は600件以上あり、業界最大級の規模を誇ります。また、多くの物件を管理してきた実績があり、トラブルを解決するノウハウも豊富です。

使っていない倉庫があって、テナントを募集したり、管理したりするのであれば、ぜひタープ不動産情報へご相談ください。

テナントが決まりやすい倉庫の条件

倉庫には、テナントが決まりやすい条件がいくつかあります。自分の貸したい倉庫がどれくらい条件を満たしているかチェックしてみましょう。

倉庫の階数は2階までに留める

先ほど述べた天井までの高さ(4.5m以上)を満たせるなら、2階建てにすると多くのテナントを入れられます。けれども、3階以上に増やすのはおすすめできません。階の移動が多くなり、使い勝手が悪くなってしまうからです。

天井までの高さを確保できても、倉庫は2階までにしておきましょう。

準工業地域であること

都市計画における用途地域は全部で12種類(自治体によっては「田園住居地域」を含めて13種類)あり、それぞれに建物の用途が決まっています。

この中で比較的万能なのが「準工業地域」です。よほど危険な工場や施設以外は建てられるので、あらゆる需要に応えられます。

次に万能なのが「商業地域」です。工場として使うときの制限は多くなりますが、あらゆる商業施設や店舗に対応しています。

新たに倉庫を作るのであれば、目的に合った用途地域を選びましょう。

駐車スペースが十分にある

郊外にあったり、荷物の搬出入が多かったりする倉庫は、車の利用が前提になるため、十分な駐車スペースが必要です。

テナント数を欲張るあまり、敷地内で建物のスペースを多く取ってしまうと、それだけ駐車スペースも少なくなってしまうため、適切なバランスを見極めます。不動産会社のアドバイスも参考になるでしょう。

まとめ

倉庫を貸し出すと、駅から遠い郊外でも需要があり、テナント収入を得られるだけでなく、初期投資も抑えられるのがメリットです。安定した経営を行うには、長期で借りてくれるテナントを見つけ、信頼できる不動産会社に管理を依頼するのが重要でしょう。