土地活用にはどんな種類があるのか?メリット・活用方法についても詳しく解説!

土地を所有していると、さまざまな方法で収益化を狙うことができます。所有権を手放してまとまった現金を得る方法もあれば、所有権を手放さずに収益を得る方法もあります。

立地の良い土地や広大な面積の土地、建物の有無など、土地の種類によって持つ特徴や強みはさまざまです。代表的な土地活用の方法である売却や駐車場化など、活用の仕方次第で高い利益を得られることもあるため、慎重に検討しましょう。

ここでは、具体的にどのような土地活用の方法があるのかをご紹介します。

土地活用の種類とその特徴

最大の収益を得るために、土地の状態に合った活用方法を選ぶことが大切です。

土地活用は、大きく分けると4つの種類に分類されます。いずれの方法もメリット・デメリットの両面を持っているため、まずは各方法の特徴を把握したうえで所有する土地の特徴を改めて見てみましょう。

売却

土地活用として誰もが思い浮かべる方法のひとつが、売却です。立地によっては「駅から徒歩圏内ではないから売れないだろう」と考える方もいますが、必ずしも交通の利便性のみが重視されるとは限りません。

購入者の目的によって求められる条件が異なるため、立地以外の魅力を見出されることがあります。

マッチする需要と出会い、売却できれば土地の所有権が持つ以下のような手間や義務から解放されます。

・継続的な管理
・固定資産税の納付

平成26年より、「空家等対策の推進に関する特別措置法」で空き家の所有者は適切な管理を行うよう定められています。仮に土地に工場や店舗、住宅などの建物があった場合は倒壊などで事故を起こさないよう、継続的な管理・手入れをしなくてはなりません。

また、土地や建物を所有している限り、使用の有無に関わらず固定資産税の納付義務も生じます。

思い切って売却することでこれらの義務や煩わしさから解放され、土地や建物が事故を起こす可能性への不安もなくなります。

売却のメリット・デメリット

土地の売却で得られるメリットもあれば、注意すべきデメリットもあります。メリット・デメリットはそれぞれ以下のとおりです。

メリット

現金化できる

不動産会社への依頼で手間なく売却できる

デメリット

一時的な費用の発生がある

売却先が即座に決まるとは限らない

最大のメリットは、やはり現金化できることです。駐車場経営など土地を利用して収益化を狙う方法と異なり、売却できれば100%現金を得られるため、ローン残債にあてたり従業員の給料や自身の生活費にあてたりできます。

売却には広告や交渉がつきものですが、不動産会社に任せれば手間はほとんど発生しません。最終決定はオーナーご自身ですから、売却したくないと感じた相手は断ることも可能です。

ただし、デメリットとして売却決定時には以下のような一時的な費用が発生します。

・不動産会社への手数料
・譲渡所得税(売主が個人の場合)
・引っ越し費用(売却物件に居住している場合)

売却の難しいところは、売りに出せば必ずしも買い手が即座に現れるとは限らない点です。立地が良くても売却までに時間がかかることもあり、当然、売れるまでは固定資産税などの費用は自身が負担しなくてはなりません。

定期借地

定期借地とは、あらかじめ決定した期間のみ土地を貸す活用方法です。所有権を手放すことなく使用権のみを与えるため、自身の資産はそのままに収益を得ることができます。

決まった時期に返却されると分かっている定期借地は、将来の見通しやキャッシュフロー計算が立てやすい点も特徴です。

基本的に、借地期間は50年以上を設定します。

定期借地として土地活用をするメリット・デメリット

50年分以上の収益を得られることが決まっている定期借地は、以下のようなメリットとデメリットを持っています。

メリット

自己資金0円から始められる(設備を残したまま貸す場合)

契約時に契約期間分の地代を一括で得られる

デメリット 建物の解体費用が必要(更地にして貸す場合)

定期借地は契約時に契約期間中の地代を一括で支払ってもらいます。そのため売却と同様、まとまった現金を得たい方に向いています。

ただし、契約内容と土地の状態によっては初期費用が発生することもあるため、契約内容を隅々まで確認しましょう。設備や建物を残したまま貸す場合は自己資金がいっさいかかりませんが、更地状態で貸す場合は現在の建物をすべて自費で解体しなければなりません。

土地活用の種類それぞれのメリット・デメリット

土地を手放すことなく活用する方法は、定期借地以外にも複数あげられます。自身で経営する方法もあり、所有権を維持したまま継続的な収益を狙いたい方などが検討しています。

この項目では土地の所有権を完全には手放したくない方や、継続的な収益を希望する方に向いている土地活用の方法をご紹介します。

自己活用

土地を自分自身で新たな事業に活用する方法が、自己活用です。立地により選択肢は左右されますが、以下の事業のオーナーがあげられます。

・オフィスビル
・アパート・マンション
・駐車場
・ロードサイド店舗
・工場・倉庫

オーナーとして経営するスタイルなら、業界の専門スキルを求められることもありません。幅広いビジネスチャンスがあり、自身も消費者として利用できる方法です。

工場・倉庫のメリット・デメリット

工場や倉庫のオーナーとして土地活用する場合は、以下のメリットやデメリットがあります。

メリット

建物の外観や駅からの立地に左右されない

入居するテナントが少なく、管理の手間が少ない

デメリット 個人で始めるにはノウハウが必要

工場・倉庫などの事業用不動産の良いところは、居住用不動産やオフィスビルとは異なる視点での需要が期待できる点です。居住用やオフィス用の物件は交通の便や近隣環境が重視されますが、事業用不動産ではさほど重視されません。

更に工場や倉庫のように広い面積を必要とするテナントは入居数が少なく済み、管理の手間を抑えられます。

ただし、個人が収益化するにはそれなりのノウハウが必要です。不安な方はノウハウを有する専門会社へ相談することをおすすめします。

アパート・マンション経営のメリット・デメリット

アパート・マンション経営も人気の高い土地活用方法のひとつです。以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

将来に資産を残せる

節税効果が期待できる

都心にあるほど空室率が低くなる傾向

デメリット

初期費用が他の活用方法よりも高額となりやすい

立地によって賃料相場が左右される

設備投資や定期メンテナンスが必要

常に収支リスクがつきまとう

アパートやマンションは投資家からの注目度も高く、中古物件となっても売却できる可能性があります。現在は賃料で収入を得られ、将来も資産として不動産売却のチャンスがある土地活用方法です。

一方で、アパート・マンション経営では切っても切り離せない立地問題や空室による収支リスクが常に存在します。基本的に満室経営が続かなければ収支リスクは解消できません。

駐車場経営のメリット・デメリット

月極駐車場やコインパーキングなどの駐車場経営で生じるメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット

数台分程度の土地でも経営できる

短期間経営も可能

設備投資が比較的安価に済む(費用0円の青空駐車場も可)

デメリット

利用効率は低い

アパート・マンション経営ほどの節税は期待できない

駐車場は地域を問わず需要があります。たとえば住宅地では近隣住民への訪問者など、1~2台分のスペースでも利用が見込めます。

次の活用方法が決まるまでの短期間経営もしやすく、青空駐車場であればアスファルトを敷く費用も節約可能となるでしょう。

手軽にできる反面、土地の利用効率としては決して高いとは言えないデメリットもあります。建物がないため賃貸物件の経営に比べると税制上の優遇もありません。

共同活用-等価交換、土地信託というふたつの方法

自身にノウハウがない場合は、共同活用という選択肢もあります。具体的には等価交換と土地信託の2種類です。

・等価交換…オーナーは土地を出資するのみ
・土地信託…土地を信託会社に預けるのみ

等価交換は、開発事業者(ディベロッパー)が建築費用を出資してくれる方法です。土地信託は専門会社に土地を預けた後、自身に代わって事業化してもらいます。

等価交換のメリット・デメリット

等価交換は土地オーナーと開発事業者がそれぞれ出資を行うため、以下のメリットとデメリットがあります。

メリット 建設費用がかからない
デメリット

第三者と土地を共有しなければならない

協業によって利回りは低くなる

コストを抑えられる反面、得られる収益も低くなるため、大幅な収益を望む方には向いていないでしょう。

ただし、等価交換には、ふたつのパターンがあります。ひとつは土地と同価値の建物部分をもらうパターンです。上記のパターンがこれにあたります。
もうひとつは、全く違う場所の同価値の土地や建物と交換する方法です。この場合には、デメリットはありません。

土地信託のメリット・デメリット

専門の信託会社へ丸投げできる土地信託は、資産的なメリットがある一方で以下のとおりデメリットもあります。

メリット

専門知識や初期投資の自己資金が不要

節税効果が期待できる

信託期間終了後は建物の所有権も得られる

デメリット

ローン返済期間中は収益が期待できない

信託報酬が発生する

必ずしも信託を利用できるとは限らない

信託会社が収益化のために建物を建設することにより、土地にかかる固定資産税を優遇措置で抑えられます。信託期間が終了した後は、信託会社が建てた建物の所有権も得られる点も魅力です。

ただし、土地信託を行うには信託会社が「この時は運用可能」だと判断してくれなくてはなりません。場合によっては収益を期待できなかったり、土地信託自体ができなかったりするリスクもあります。

自身の所有する土地に最適な活用方法を選ぶには?

所有する土地の特性を最大限活かすことのできる土地活用方法を選ぶことが、損をしないコツです。まずは土地活用の方向性を明確化しましょう。

・節税をしたい
・高い収益をあげたい
・安定収入を得たい(初期費用は抑えたい)
・安定収入を得たい(初期費用はかけても良い)

上記のように目的を決めた後は、土地と活用方法の相性をチェックします。所有する土地の立地条件などで選択肢は異なるため、慎重な判断が求められます。

専門知識を有しない方は、相談できる専門家を探しましょう。タープ不動産では工場・倉庫に特化した土地活用のアドバイスを行っています。各種専門家と連携し、多方面から土地活用をサポートできるシステムはタープだけの魅力です。

弊社の物件マッチングサイトでは買い手の募集が可能なため、売却方向で検討している方もぜひご相談ください。売却の募集から契約までをしっかりとトータルサポートします。

まとめ

土地活用とひと口に言っても、目的によって方法はさまざまです。売却や定期借地などまとまった現金を得られる方法もあれば、賃貸物件経営や工場・倉庫のように将来の資産を確保したまま長期的な収益を得られる方法もあります。

最大限の収益をあげるために、土地が持つ魅力を理解したうえで適切な活用方法を見定めることが重要です。

立地面が不安な土地や広大で活用方法が分からない土地なども、需要に合ったアプローチで収益化を狙えます。まずは工場・倉庫に特化したアドバイスができるタープにご相談ください。