貸倉庫を作業場・工場・店舗として利用する際の注意点

こんにちは、工場・倉庫・事業用不動産コンサルタントの三浦です。
貸工場や貸倉庫を探されている方、有効活用をご検討されている方、
工場・倉庫への投資を考えている方々から、直接質問が来たものの中から
事例などを含めお応えします。
今回の質問は、貸倉庫を工場や店舗、作業所として利用する際の注意点についてお応えします。

貸倉庫は壁、屋根、床ととてもシンプルな建物構造が基本となっていますので、
建物内の造作がテナントの自由にアレンジできることから倉庫を借りて、様々な業種に変更して
利用するケースが多くなっています。この様な活用方法はとても良いと思いますが、
注意しなければ、思わぬ出費やトラブルになることもあるので注意が必要です。

具体的には倉庫を契約する前に事前確認をすることで、ほとんどの問題を回避もしくは
対策を打つことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

<ポイント>
1.用途地域の確認
倉庫を借りる時に、その用途地域を必ず確認してください。用途地域には営んで良い業種が、
細かく記載されてますので、用途地域上問題のない場所での営業をお勧めします。
もちろん、現実には貸主が了承すれば、用途地域で禁止されている用途であっても使用している
ケースも多くあります。しかし、思わぬトラブルに巻き込まれた際に、「この場所で利用してはいけない」と
相手や役所から指摘されたときには、立場も弱くなりますので、やはり用途地域の定める範囲での
利用をお勧めします。
2.所有者の承諾
倉庫を借りる際に、実は以外と多いトラブルです。「店舗にするとは、聞いていいたが、
この様な利用方法までは聞いてない!!」など、いざ蓋を開けてみるとトラブルに。
これらの問題を回避するためには、契約書に「作業所」「印刷工場」「イタリアンレストラン」など、
用途をしっかり記載してもらいましょう。次に内装工事の図面などを貸主に提示して承諾印を
もらっておくことをお勧めします。これらの行動はトラブルを未然に防ぐだけでなく、
貸主との良い人間関係が継続させるためにはとても重要です。
3.業種によって消防法・保健所などの確認
倉庫を店舗などに用途変更して利用する際に、消防法や飲食店などは保健所などの指導が
意外とコストを圧迫します。事前確認や専門家を入れることで、コストだけでなくトラブルも
回避できますので、必ず確認することをお勧めします。
因みに、専門家はどのタイミングで相談に行くと良いなど独自のノウハウを持っていることも多いです。
4.助成金を受ける場合は建築確認書及び確認済証の存在確認
倉庫を変更して店舗や施設などへ用途変更をして利用する際に、公的な助成金や許認可を得る場合は、
その資格要件の中に建築確認済証が求められるケースが多いです。ひと昔前は、建築確認証をとって、
途中に仕様変更(違法)などを行い、建築確認済証は交付を受けない(無視)すること多い時期があったので、
必ず貸主へ存在の確認することをお勧めします。
5.過去の近隣とのトラブル確認
音、振動、臭い、光などは、過去にトラブルがあったかどうかを事前に貸主に確認することをお勧めします。
人よっては、臭いに敏感な人、夜にお仕事をされて昼は休んでいる人など、ライフスタイルは様々です。
もし、近隣や役所から過去に苦情が来たかどうかを把握することで、いざトラブルになった際にも
的確な対処ができます。

【まとめ】
倉庫は「万能の箱」として、とても利用しやすく、空間を自由に活用することで、
世界に一つの施設を作るなんてことも可能です。設備にお金をかけるわけですから、
トラブルは事前の確認で回避できるケースが多いので、急がば回れでしっかり
確認することをお勧めします。