倉庫をカフェにしよう!メリットと注意点は?

カフェとして使われている倉庫が増えています。内装や外装など、倉庫の雰囲気を残しているカフェも少なくありません。あえて倉庫をカフェにするのは、どのようなメリットがあるのでしょうか。注意点も紹介します。

倉庫カフェが人気!その理由とメリットは?

倉庫として使われていた建物は、これからカフェをはじめたい人にとって格好の物件です。まずは、その理由を知っておきましょう。

天井が高くて自由にレイアウトできる

多くの倉庫は、高い位置に天井があります。カフェにすると、床面積が狭くても開放感を得られるのがメリットです。

また、間仕切りが少ないので、自由に店内をレイアウトできます。ほかの建物では間仕切りのせいで制約がありがちですが、倉庫なら理想のカフェを実現しやすいといえるでしょう。個性を出したり、他店との差別化を図ったりするのも簡単です。

初期費用を抑えられる

倉庫は、一般的にほかの建物よりも安価に購入できます。借りるとしても、賃料は割安です。同様に、内装工事をするときも間仕切りが少ない分、解体の費用を抑えられます。つまり、開店までにかかる初期費用を少なくできるわけです。

カフェを経営する上で初期費用が多すぎると、回収するまでの時間がかかります。借り入れで調達した場合は、返済が大きな負担になるでしょう。初期費用を抑えられると、余裕をもって経営できます。その点でも倉庫は適した物件です。

倉庫をカフェにするときの注意点

倉庫とカフェは使い方が大きく異なります。そのため、すべての倉庫がカフェに向いているわけではなく、必ず人気が出るわけでもありません。倉庫をカフェにするときの注意点を見てみましょう。

立地が良いか

隠れ家として人気を集めるカフェもありますが、集客するなら大きな通りに面しているほうが有利です。郊外にあって車での来客を想定する場合は、駐車場を確保できるかもチェックしましょう。敷地内に駐車スペースがあれば良いですが、無ければ近隣の駐車場との提携も考えたいところです。

また、近くに似た傾向のカフェがあると、客の奪い合いになります。どうしても立地を優先するのであれば、事業方針の見直しが必要です。事前に入念なリサーチをして、カフェを経営しても問題が無いのか判断しましょう。

窓はあるか

窓があれば外部からの日差しを取り込めますし、通気性も良くなります。インテリアとしても欠かせないといえるでしょう。けれども、倉庫の中には日差しによる気温の変化や品質の劣化を避けるため、窓がほとんど無い場合もあります。

後から増設するにしても、壁の強度が損なわれる恐れがあるため、希望の場所には取り付けられないかもしれません。できれば購入したり借りたりする前に、施工業者と下見をして、増設できるか調べてもらいましょう。

どうしても窓を増設できなければ、照明や空調で代用できる場合もありますが、光熱費がかかる点は要注意です。

性能に問題は無いか

倉庫は、人が長時間滞在することが想定されていないため、ほかの建物であれば備わっている断熱性、防音性、耐震性などが劣る可能性があります。そのまま営業すると、利用客が快適に過ごせないだけでなく、周辺住民にも迷惑をかける恐れがあるので、基準を満たせるように追加工事をしなければいけません。

これらの工事は大がかりになりやすく、その分だけ費用も高額です。食品を保管していた倉庫なら断熱性が備わっていますし、1981年6月以降に建てられているなら、震度6~7の地震には耐えられるように作られています。そのような倉庫を選ぶと費用の節約になるでしょう。

カフェに必要なインフラは導入しやすいか

カフェを経営するには、電気はもちろん、水道やガス、空調の設備が必要です。インターネットも使えるほうが良いでしょう。けれども、多くの倉庫は電気以外のインフラが導入されていないかもしれません。

新たに導入すると高額の費用がかかります。せめて建物まで引き込まれていれば、内部の配線や配管からはじめられるので、少しでもインフラが整備されている倉庫を選ぶと良いでしょう。

違法にならないか

各自治体では、都市計画によって土地の用途を定めており、それぞれ何を建てられるか決まっています。倉庫とカフェ(飲食店)を比較すると、カフェのほうが多くの地域に建てられますが、工業地帯と工業専用地帯は倉庫を建てられても、カフェにはできません。

土地の用途を記した都市計画図は、自治体の窓口で閲覧できますし、インターネット上で見られるところもあるので、事前に確認しましょう。

また、倉庫は「特殊建築物」であり、200平方メートル(約60.5坪)を超える床面積をカフェにするときは、「建築確認」の手続きを行わなければいけません。

ほかにも、倉庫とカフェでは消防法の基準が異なるところがあります。例えば、倉庫は「非特定用途の防火対象物」ですが、カフェは「特定用途の防火対象物」です。前者は収容人数が50人以上になると防火管理者を選任しなければいけませんが、後者は30人以上と厳しくなっています。

それぞれに罰則規定があるので、しっかりと確認しましょう。

倉庫をカフェとして貸す方法も

倉庫をカフェにするときは、オーナーが事業の一環として自ら経営しても良いですが、誰かに貸す方法もあります。どのようなメリットがあるのでしょうか。

自ら経営するより負担が少ない

倉庫を誰かに貸して、借主がカフェとして経営した場合、貸主であるオーナーは家賃収入を得られます。経営に関することは借主の責任になるので、オーナーに負担はありません。

また、オーナーはスケルトンの状態で倉庫を貸し、内装は借主が自己負担で施します。退去によって原状回復するときも、借主の自己負担です。この点でもオーナーの負担はありません。

つまり自ら経営するよりも少ないリスクで収入を得られるわけです。

ただし、建物の管理責任はオーナー側にあります。借主が何か問題を起こしてしまった際には、オーナーも無関係というわけにはいられません。

よくあるのが近所とのトラブルです。倉庫とカフェでは使われ方が大きく異なるため、周辺の環境も変化します。倉庫のときには無かったにおいや音、交通障害などが発生するかもしれません。その際にオーナーが責任を問われる可能性があります。

もうひとつ気をつけたいのが「転貸」です。いわゆる借主が誰かに又貸ししている状態を指します。オーナーに無断で転貸しているのであれば法律違反(民法第612条第1項)になりますし、素性の分からない人が倉庫を利用しているのは怖いものです。

こうしたトラブルを防ぐには、契約時に書面で規約や禁止事項を明記するのが大事です。また、貸しっ放しにせず、普段からこまめに使用状況を確認するのも欠かせないでしょう。

信頼できる業者にサポートしてもらおう

オーナーが自らカフェを経営する場合、本当に思ったとおりの収益を得られるのか、判断するのは難しいものです。誰かに貸す場合でも、本当に借主が見つかるのか分からないという不安があります。また、建物の管理やトラブルの対応も、オーナー自ら行うのは大きな負担となるでしょう。

信頼できる業者にサポートしてもらうと、アドバイスをしてくれたり、オーナーに代わって対応してくれたりするので安心です。

タープ不動産情報でも、倉庫の活用アドバイスから仲介、管理、トラブルの対応に至るまで、ワンストップサービスで提供しております。倉庫をカフェにしようとお考えの際は、ぜひご相談ください。

まとめ

倉庫には独特の雰囲気があり、開放感もあります。シンプルな構造なので、購入したり、カフェに改装したりするときの初期費用を抑えられるかもしれません。一方で、まったく違う使い方をするので、注意すべき点が数多くあります。信頼できる業者のサポートがあると安心です。