更地賃貸なら管理の手間がかからない|空き地の有効な土地活用

「親から更地を相続したものの、どう扱って良いか困っている。できれば有効活用したい」と悩んでいる土地オーナーは多いのではないでしょうか。更地の土地活用は、整地して建物を建てて貸すなどが一般的ですが、そのまま更地賃貸として貸し出す選択肢もあります。

この記事では、更地賃貸とはどのような土地活用なのか、メリットとデメリットを交えながらポイントを解説します。

更地賃貸のメリット

ただ放置しているだけの更地は遊休地ともいいますが、放置したままでは何のメリットも見込めません。固定資産税などの維持費がかかるだけなので、賃貸などで収益を得るのが得策だといえるでしょう。

更地を第三者に貸す場合、整地をしたり建物を建てたりと、何かしら手を加えるのが一般的です。しかし、必ずしも手を加える必要はありません。更地賃貸であれば、そのまま土地を貸すことが可能です。

この項では、更地賃貸のメリットについて紹介します。

コストがほとんどかからない

更地賃貸のメリットのひとつは、土地を貸し出す際に費用がほとんどかからないことです。土地の状態によっては多少手を加える必要があるかもしれませんが、そのままの状態で土地を貸せることが多いです。

土地をそのままの状態で貸すので、整地費用や舗装、建物を建てる建築費用などの初期費用は発生しません。

オーナーは借主に土地をそのままの状態で引き渡したあと、借主自身が利用しやすいように整備して建物を建てます。土地を貸したあとは、借主側の責任で土地を利用することになりますので、オーナーが別途負担するような費用は発生しません。

さらに、更地賃貸は土地のみを貸し出す賃貸契約なので、建物の管理や維持にかかる修繕費用、共通部分や賃貸していない部分の水道光熱費などは発生しません。マンション・アパート経営などと比べて、ローコストで運用できます。

安定収益を実現しやすい

更地賃貸なら、安定収入を実現しやすい点もメリットです。土地を貸し出す際、定期借地権を設定する場合は、長期契約が基本になります。

定期借地権とは、期間を確定して土地を貸し出す制度のことです。定期借地権には、「一般定期借地権」「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」の3種類があります。

いずれも借地権の設定期間が長く、一般的借地権は50年以上、事業用定期借地権は10年以上50年未満、建物譲渡特約付借地権は30年以上の長期に渡る契約です。定期借地権契約を結ぶことで、少なくとも10年以上は借地契約を維持できるでしょう。

定期借地権の契約に基づいて長期的に土地を貸し出せるので、安定収入を実現しやすいです。また、アパートなど建物の賃貸とは異なり、空室リスクも発生しません。

更地賃貸なら、継続的に入ってくる収入を予測しやすいです。

更地賃貸のデメリット

いくつかのメリットがある一方で、更地賃貸ならではのデメリットもあります。

ここからは、更地賃貸の主なデメリットについて紹介します。

別の土地活用への転用が難しい

更地賃貸における代表的なデメリットは、「賃貸中は別の土地活用ができない」です。転用が難しい点で問題があります。

土地の貸し出しについては、前述したようにあらかじめ貸し出す期間を設定する定期借地権の制度があります。土地を確実に返してもらうためには有効な制度ですが、どの定期借地権を選択しても、長期契約なので土地の返還は10年以上先になります。

定期借地権のほかにも、普通借地権による土地の貸し出しがあります。普通借地権の存続期間も30年以上と長期契約ですが、定期借地権とは異なり契約の更新が可能です。

しかし問題なのは、普通借地権はオーナー側に正当な理由がない限り更新を拒否できない点です。契約次第では借地人が半永久的に土地を借り、利用し続けるケースがあります。

そのため、土地を貸した状態では、新たに建物を建てるなどの転用はできません。
一度土地を貸してしまうと、別の土地活用を選択したくてもなかなかできないというのは、大きなデメリットだといえるでしょう。

マンション・アパートより収益性が低い

更地賃貸は土地を貸すだけの契約なので、収益性は高くありません。マンションやアパートなどの賃貸物件を建てて貸し出すよりも収益性は落ちます。

「遊休地の固定資産税分くらいは回収したい」と考えているならおすすめですが、高い収益を求めているオーナーには向いていない土地活用です。

更地賃貸を行う上での注意点

ここからは、更地賃貸を行う上での注意点を2つ紹介します。

用途地域などの規制や条件

更地賃貸では、たとえオーナー自身が直接土地を利用しない場合であっても、用途地域の確認、法規制や土地活用の条件の確認が必要です。

土地は、用途地域ごとに建物の高さなど規定や制限が決まっています。用途地域次第では、アパート用地などに向かない場合もあります。

土地を貸し出す際は、オーナー自身で用途地域といった制度の確認が必要です。また、用途地域以外にも法規制がないか、オーナー自身が市区町村役場で確認することも重要です。

賃料が変動することがある

借地借家法では、「近隣の類似の土地と比較して地代等が不相応なときは、契約条件に定めがあっても、当事者は地代の増減を請求できる」と定められています。

地代が周辺よりも大きく低下している場合はオーナーも増額を請求できるということですが、逆も考えられるでしょう。借主が周辺より地代が高額になっていることを理由に、地代の減額を持ち掛けてくることもあります。

土地の賃料が変動する要因は、「地価の上昇あるいは低下」「租税公課の増減」「近隣相場との差」などです。

土地の価格は、周辺環境や土地開発などで大きく変動する可能性があります。適切な利幅を確保するには、定期的に相場を確認する必要があるでしょう。

「どの程度地価が下がれば請求するか」などのさじ加減も必要ですし、賃貸に至っていない場合は、定期的に賃料を見直して、契約に至りそうな価格でかつ利幅も確保できるような価格で賃料を設定しなければなりません。

更地の有効活用ならタープ不動産情報にご相談ください!

更地賃貸は、「ほとんど手を加えず土地を貸し出せる」などのメリットがある一方で、「長期契約で土地の転換が難しい」などのデメリットがあります。

「固定資産税程度の収入があれば問題ない」と考えるのであれば、更地賃貸を選択するのも良いですが、状況や環境によっては他にも有効な土地活用があります。

事業用不動産に特化したタープ不動産情報なら、不動産オーナーにとって最適な土地活用の提案が可能です。借地事業をはじめ、事業用不動産の転用など、更地の有効活用について専門家がアドバイスします。

「更地賃貸を候補として考えているが、他にもっと良い土地活用法があれば知りたい」と検討中のオーナーは、ぜひタープ不動産情報へご相談ください。

まとめ

今回記事で紹介したように、更地賃貸にはメリットやデメリットがあります。用途地域の制限などオーナー側で確認や注意が必要な点もあるので、土地活用の際はよく検討してから実行しましょう。

そのほか更地賃貸以外にも有効な土地活用はあるので、まずは専門家に相談するのがおすすめです。