工場は居抜き物件にするのがおすすめ?賃貸・売却時のポイント
事業で所有していた工場を、閉鎖や廃業にともない、どうにか良い形で処分したいと考えている人もいるでしょう。なかには処分方法を決めかねていて、閉鎖や廃業した状態のまま何も手を付けていない人も少なくないのではないでしょうか。
ほとんどそのままの状態で、次の利用者またはオーナーに引き継ぐ物件を、居抜き物件といいます。工場を売却、あるいは貸し出すとなった場合、居抜き物件は物件の価値としてどうなのでしょうか。この記事では、居抜き物件とその処分についてご紹介します。
居抜き物件とは?スケルトンとどう違う?
居抜き物件とはどのような物件のことを指すのか見ていきましょう。それとあわせてスケルトン物件との違いについても説明していきます。
居抜き物件とは
工場の中にはさまざまな内装設備や生産設備などが設置されています。什器などの大きな備品もです。居抜き物件とは、そのような設備や備品を撤去せず残したまま売却や賃貸利用をする物件のことをいいます。
物件の借り手や買い手は、設備や備品をそのまま使用することができます。通常なら、借り手や買い手が内装工事や必要な設備の設置を行なわなければなりません。居抜き物件を選ぶことで、借り手や買い手にとっては負担を軽減できます。
賃貸や購入をしてから、実際に工場を稼働させるまでの時間もかかりません。すぐに生産活動を開始することができます。
スケルトンとの違い
スケルトン物件というのは、内装設備や生産設備などが一切ない状態の物件のことです。工場の場合には、大きな箱のような状態で借り手や買い手に引き渡すことになります。
居抜き物件と違い、借り手や買い手が費用を支出して内装工事を行い、生産設備を設置しなければなりません。そのため、借り手や買い手にとっては、費用の負担が大きいです。また、工事が完了してからでないと、工場を稼働させることができません。
しかし、その一方で借り手や買い手は、内装や使用する設備などを自由に決めることができます。最新の設備を設置したい場合や特殊な設備を使用する場合などには、スケルトン物件を選ぶことも多いです。
借りる側もオーナーもメリットがある工場の居抜き物件
居抜き物件は、需要があれば物件の買い手、または借り手が見つかります。以下では、工場を居抜き物件として貸し出すことを前提に、貸し出すオーナー側のメリット、借りる側のメリットをみていきましょう。
オーナーのメリット
居抜き物件として工場を貸し出すことには、以下のようなメリットがあります。
・空室期間が少なくて済む
居抜き物件で引き渡しを行うと、設備もそのまま次の利用者に引き継げるため、すぐに借り手に物件を引き渡せます。引き渡しまでの期間を節約できるので、賃貸契約までスムーズに話が進めば、空室期間を少なくできるでしょう。明け渡し後、すぐに賃料を得られるようになります。
・需要がある
所有する工場を貸し出す場合、スケルトン状態にして引き渡すのが一般的です。居抜き物件の数はまだまだ少ないため、立地や業種次第では需要が見込めます。
・コストを抑えられる
物件をスケルトンにするには、設備を除去するだけでなく、クリーニングも必要になります。これらの工事において、工事費やクリーニング代を負担するのは物件のオーナーです。居抜き物件であればコストを抑えつつ物件を活用することができます。
借りる側のメリット
居抜き物件に需要があるのは、物件を借りる側にもメリットがあるためです。たとえば、以下のようなメリットが考えられます。
・コストを抑えて事業を開始できる
業種によっても異なりますが、開業にともないさまざまな設備の準備が必要となるような業種では、多額の初期費用がかかります。同業種であればすでにある設備をそのまま活用できる居抜き物件は、コストを抑えつつ事業をはじめたい人にとって魅力的な物件といえるでしょう。
・開業までの時間短縮ができる
居抜き物件を利用すれば、借り手は、本来必要であった設備を探す時間、購入して設置する時間などを大幅に削減することが可能。開業までの時間を短縮でき、すぐに事業が行えるようになるのも借り手からみた居抜き物件の魅力です。
工場の居抜き物件のオーナー側の注意点
居抜き物件での貸し出しは、物件オーナーにとっても、借り手にとってもメリットがあり、一見ウィンウィンの関係と考えられます。しかし、居抜き物件として賃貸の募集を行ったからといって、必ずしも借り手が見つかるとは限らない点に注意が必要です。
工場を居抜き物件として貸し出す場合は、設備等の撤去や物件の需要についてきちんと検討することをおすすめします。
設備等の撤去について
まず、原状回復についてですが、居抜き物件として貸し出す場合は設備等の撤去を行う必要はありません。しかし、何も手を加えずに居抜き物件として募集を行っても、なかなか借り手がつかないこともあります。
居抜き物件の借り手は、物件の内装や設備をしっかり見たうえで借りるかどうか決めるためです。いくら居抜き物件でも、引き続き使うことが難しそうな設備、修繕が必要そうな内装では、借り手の求める居抜き物件の条件を満たすことにはなりません。
設備等の撤去が必要ないといっても、魅力的な物件でないと入居者は決まらないのです。スケルトンにするまではなくても、借り手がつくようにするには、必要な設備の修繕やクリーニングを行うなどして、ある程度きれいにしておく必要があるでしょう。
そのため、スケルトンにするためのコストまではかからないまでも、物件を売り出すにあたってある程度のコストは必要経費として見込んでおかなくてはなりません。
業種の幅が限られる可能性
居抜き物件は、主に同業種に需要があります。同じような設備を利用して事業を行うためです。同業種に人気のエリアなどであれば、居抜き物件として貸し出しても需要は見込めるでしょう。
一方で、居抜き物件として貸し出すことで、需要が限られてしまうデメリットもあります。工場を箱として、さまざまな形で利用したい借り手にとって、居抜き物件は使い勝手が悪いためです。物件を利用したくても設備が邪魔になり、思うように活用できなくなってしまいます。
つまり、居抜き物件で借り手を募集することによって、オーナーの意図しないところで、需要を狭めてしまっている可能性があるのです。
物件をスケルトンにした場合は、居抜き物件のように業種の幅がそこまで限られないため、すぐに借り手を見つけたいなら、居抜き物件にこだわりすぎないことも重要です。そのため、需要をしっかり見極める必要があるでしょう。
工場の居抜き物件を「貸す・売る」ためには
工場の居抜き物件を貸したり売ったりしたい場合には、次のようなことを行っておきましょう。
査定価格を理解する
居抜き物件を貸したり売ったりする際には、その価値を把握しておく必要があります。主に立地や広さ、建物の状態などにより、価値が決まることが多いです。
しかし、業者によって査定額に差があります。たまたま安く評価する業者にあたってしまうこともあれば、高く評価する業者にあたることもあるでしょう。1社だけの査定では、居抜き物件の価値を把握するのは難しいです。そのため、複数の業者に査定を依頼するようにしましょう。
マッチング業者を利用する
居抜き物件を借りたい人に対して、情報を提供するマッチング業者を利用してみましょう。貸したい側はマッチング業者に登録することで、借りたい人がその情報を閲覧できるようになります。工場の居抜き物件を借りたい人とのマッチングがスムーズにいくでしょう。
信頼できる不動産業者を利用する
工場の居抜き物件を貸したり売ったりするのにもっともオーソドックスな方法は、不動産業者へ依頼することです。ただ、不動産業者の中にもさまざまな業者があるため、評判などをチェックした上で、できるだけ信頼できるところを選びましょう。
また、住宅用の物件を中心に扱っている不動産業者だと、工場の居抜き物件の賃貸や売買にはあまり慣れていません。そのため、工場の物件を専門に取り扱っている不動産業者に依頼するのが理想的です。
そこで、工場の居抜き物件の賃貸や売買はタープ不動産情報におまかせください。工場や倉庫などの事業用の不動産を専門に取り扱っており、実績やノウハウも豊富です。売却後や貸し出し後のアフターフォローも行っております。
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まとめ
工場の設備や内装をそのままにして売却、または貸し出す居抜き物件は、オーナー側にとって魅力的ですが、需要によりマッチングが成立しない可能性もあります。使用しなくなった工場の活用は、幅広く考えることが重要です。良い条件で活用するには、実績のある不動産会社への相談をおすすめします。