倉庫を貸し出したいけど滞納が心配!事前に確認しておくこと

使わなくなってしまった事業用倉庫は、他者に貸し出すことができます。利益を生まなくなった倉庫は、貸し出すことで賃料という収入になるため、倉庫オーナーにとっては魅力的でしょう。

問題は、賃借人の賃料の滞納です。滞納リスクを考え、倉庫の貸し出しを迷っているオーナーもいるのではないでしょうか。この記事では、倉庫の滞納リスクと対策について紹介します。

倉庫の滞納リスクについて

倉庫の貸し出しにあたって、どうしても可能性として避けられないのが、滞納リスクです。倉庫を貸して他者から収入を得る賃貸では、賃借人の賃料の支払いが滞り、当初の計画どおり収入を得られない可能性は否定できません。

問題は、倉庫を貸し出している状態にもかかわらず、収入が入ってこないことです。空室時も同様に収入は入ってきませんが、工夫次第ではすぐに契約に取り付け、収入を得られるようにすることはできるでしょう。しかし、滞納は工夫でどうにかなる問題でもありません。

滞納後、すぐに賃料が支払われるならまだ良いですが、いつまで経っても支払われない可能性もあります。賃料回収の見通しが立たないことを考えると、工夫の余地がある空室のほうが、賃料を滞納されるよりも良いという状況も考えられるでしょう。

さらに問題なのは、滞納されても倉庫の所有者は強気に出られないことです。賃借人が法的に守られる立場にあることから、オーナーが退去を迫ってもすぐに退去を実現することはできませんし、オーナーの督促には法的な規制もあります。

結果として、強制退去までに法的にいくつもの手順を踏む必要があり、時間がかかることも珍しくないのです。また、退去が実現したからといって、賃借人の経済状況次第では全額回収できるかわからないリスクもあります。

倉庫の家賃を滞納されたらどうしたら良いか

倉庫を貸し出す以上、滞納リスクは避けられないことを紹介しました。実際に滞納が起きた場合、オーナーはどのような行動をとれば良いのでしょうか。オーナーができることは、滞納後素早く行動を起こすこと、そして場合によっては裁判などで解決を図ることです。

素早く行動する

とにかく滞納があったら、素早く行動しましょう。滞納後、なにも行動を起こさずにいると、滞納額も増え、ますます回収が難しい状況に陥ることもあります。

オーナーとして必要な行動をとったという既成事実を作るためにも、滞納があったら素早く賃借人に対して督促することがひとつです。

督促をして相手が求めに応じるようであれば、いつまでに支払いを実行するか、滞納の額はいくらか、しっかり明記した合意書を作成するようにします。

合意書を作成する理由は、合意書の期日が守られずさらに滞納となり裁判になった場合、裁判で督促の事実を証明できるようにするためです。

このように、のちに裁判となったとき督促の証明ができますし、早めに行動すれば裁判を起こす前に滞納分を回収できるかもしれません。滞納があったら、まずは相手に督促するようにしましょう。

相手が督促に応じない場合は、弁護士をとおして内容証明郵便で督促を行い、支払いが実行されない場合には法的措置に出ることを相手に通達するのが一般的な流れです。

裁判になる可能性も

何度も督促したにもかかわらず滞納が続く場合は、裁判による解決も視野に考える必要があるでしょう。裁判に持ち込む場合は、まず滞納額の回収可能性があるか、賃借人本人と連帯保証人の財産調査を行います。

次に、利用する裁判制度の選択です。労力を考えると、まずは裁判所から督促の文書を送る「支払督促」が考えられるでしょう。ただし、支払督促は裁判所の出頭が必要ない方法ではありますが、相手から異議の申し出があると裁判に移行せざるを得ないデメリットもあります。

支払督促が難しい場合は、60万円以下の請求で利用できる少額訴訟、あるいは通常の訴訟が選択肢と考えられるでしょう。いずれも滞納を解決できる手段にはなりますが、解決までの期間が読めず、長期化する可能性もあります。

また、裁判になると手続きに手間がかかること、弁護士などに依頼するためにコストがかかることも問題です。裁判を起こしても、財産の状況次第では全額回収が難しいこともあるため、あくまでも裁判は最終手段として考えます。

手間のかかる裁判の前に、町の不動産屋を頼ってみましょう。タープ不動産情報ならトラブルのご相談にも乗ります。裁判になる前に一度ご相談ください。

倉庫を貸し出す前に確認しておくこと

滞納が起きてどうしても支払いが行われない場合、裁判で解決する方法もありますが、裁判により必ずしもオーナーの期待する解決ができるとは限りません。裁判を起こしても滞納額を回収できず、コストや手間ばかりがかかることもあります。

このような滞納による損失を防ぐには、滞納が起きてから対処するのではなく、滞納が起こらないよう対策に力を入れることがより重要です。そのためにも、倉庫を貸し出す前の対策に力を注ぐ必要があるでしょう。

テナントの確認

滞納リスクを減らすには、信用できる会社に貸し出すことです。信用できるか、毎月滞納されずに支払いが実行されるか、判断するためにも、信用調査会社を通じて経営の実態を把握するようにします。

会社とは名ばかりの幽霊会社ではないか、事業が確実に営まれているかどうかの現地調査も入居希望者の実態を確認する手段となるでしょう。

このように、入居希望のテナントが信用できるか確認する手段はいくつかあります。重要なのは、オーナーが入居希望者をしっかり審査することです。調査の手間なども含めオーナー側で難しい場合は、不動産管理会社に調査などを依頼できますので検討してみるのも良いでしょう。

保証金をすんなり払ってくれるか

入居希望者と契約を結ぶ際に保証金を請求したとき、保証金を一括ですぐに支払ってくれるかどうかも滞納の可能性を見極める判断ポイントです。問題なく支払ってくれる会社であれば、まずは滞納のリスクは高くないと判断できるでしょう。

一方、保証金請求の段階で、保証金を値切ってくるような会社、保証金の支払いを分割で依頼してくるような会社は資金力に不安が残ります。十分な資金が調達できていないことから、貸し出し後、滞納になるリスクは高いかもしれません。

保証金の段階で支払に問題があれば、保証金がきっちり支払われるまで倉庫のカギを渡さないことが防衛策です。カギを渡すと保証金だけでなく賃料もしっかり支払われない可能性もありますので、保証金の受け入れを受けて、カギを渡すようにしましょう。

このように、倉庫を貸し出した場合の滞納リスクは、貸し出し前の工夫で減らすことが可能です。しかし、相手方とのやり取りや調査など、すべてオーナー個人で済ませようと思うと手間も時間もかかりますし、不安も残ります。

倉庫の貸し出しについて悩みや不安があれば、不動産売買だけでなく、不動産管理の実績もあるタープ不動産情報へまずはご相談ください。倉庫売買や管理の実績が豊富なタープ不動産情報なら、お客様の希望に寄り添ったご提案もできます。

滞納リスクを避けるためにできること

最後に、賃貸開始後、滞納リスクを減らすためにオーナー側ができることを紹介します。

■振込以外の回収を考える
銀行振込だと、賃借人が入金日までに送金を忘れる可能性もあります。入金忘れを避けるために、自動引き落としや手渡しなど、回収の方法を工夫してみましょう。

■入金情報をこまめに確認する
賃料の支払いがあるか、都度確認するようにしましょう。こまめに確認しておけば、滞納があったときの督促など、必要な行動も素早く取れるようになります。

■トラブル例を集めておく
滞納があってもすぐに行動できない人もいます。必要な行動が素早く適切に取れるよう、日頃から滞納によるトラブルの事例や裁判での判例を集めておくと良いです。

まとめ

倉庫貸し出しによる滞納リスクを完全になくすことは難しいですが、事前の対策、貸し出し中の対策など、複数の対策を取ることでリスクを軽減することは可能です。

倉庫の滞納リスクに不安があるなら、信頼できる不動産会社に相談してみるのもひとつの解決策となるのではないでしょうか。