倉庫は買うべき?借りるべき?それぞれのメリットと選び方を紹介

商品や資材などを保管する目的で倉庫が必要になったとき、買うのと借りるのと2つの選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらが良いのか、どのように選べばいいのか見てみましょう。

倉庫を買うメリット・デメリット

まずは倉庫を買い、自社で保有するメリットとデメリットです。

メリット

倉庫を買うと、自社の所有物になります。借りるのと違って、使い道は自由です。思い通りのレイアウトやデザインにすることができます。自社で使わなくなっても、貸し出せば家賃収入を得られるので、無駄にはなりません。

資産としての価値もあります。融資を受けるときの担保になりますし、会社の信頼性も高めてくれるでしょう。価値が高まったときに手放せば、売却益を出せるかもしれません。

経理上では毎年「減価償却」ができるため、その分を経費に計上できます。鉄骨鉄筋コンクリート造りの倉庫であれば47年です。維持や管理にかかる費用も経費に計上できます。長期で保有するほど、コストは借りるより抑えられるかもしれません。

デメリット

一方、デメリットとしては、多額の初期費用がかかる点があげられます。一から建設するのはもちろん、中古の倉庫を買うのも多額の費用が必要です。その分の費用は資産として一括計上されてしまいます。

融資を受ける場合も、利息は経費に計上できますが、元本の返済分は計上できません。保有している間は固定資産税が発生するのも難点です。資金繰りが苦しくなって売却するとしても、タイミングによっては損をする可能性があります。手放すのも簡単ではありません。

もうひとつ、会社にとって必要な倉庫の広さは、常に変動します。現状より狭くしたり、逆に広くしたくても、自社で保有していると融通が利きません。利便性を高めるために、場所を変えたくなる場合もあるでしょう。

倉庫は使わなくても維持管理費がかかりますし、定期的に修繕も発生します。貸し出すとしても、タイミング良く借り手が見つかるとは限りません。ただ保有しているだけの倉庫は、会社にとって大きな負担になってしまうでしょう。

倉庫を借りるメリット・デメリット

では、倉庫を買わずに借りた場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

倉庫を借りるときにかかる費用は、買うのと比べてずっと少なくなります。地域差はありますが、前家賃と礼金、保証金、仲介手数料です。家賃に換算すると半年~1年分が目安になります。

もちろん、目的に合わせて内装を施したり、設備を導入したりするのであれば、さらなる費用はかかりますが、それでも買うよりはお得です。これらの費用や毎月の賃料はすべて経費として計上できます。

維持管理はオーナーが行うため、会社側でこうした費用を別途負担する必要はありません。固定資産税も支払わなくて済みます。

借りたら、日を置かずに使い始められるのもメリットです。途中で倉庫を狭くしたり、広くしたりするなら、契約更新のタイミングで借り換えできます。

退去にともなう原状回復や、新たな契約にともなう前家賃や礼金、保証金、仲介手数料は発生しますが、買い替えにかかる費用に比べれば微々たるものです。

事業の規模や必要性に応じて、常に最適な広さの倉庫を選べます。

デメリット

借りている倉庫は、自社のものではありません。オーナーの意向によって、使い方が制限される場合があります。使える時間や曜日が決められていたり、レイアウトやデザインを妥協しなければいけなかったり、希望する設備を導入できなかったりするかもしれません。

また、退去するときは原状回復するための費用がかかります。住宅の賃貸と違って、事業用の物件は経年劣化を考慮されず、借りる前の状態に戻さなければいけません。原状回復は、認識の違いによってオーナーとトラブルになりやすいため、注意が必要です。

契約更新のタイミングで賃料が値上げされ、資金繰りに影響を及ぼす恐れもあります。こうしたトラブルを防ぐには、最初の契約時によく話し合って、曖昧にしないことが大事です。契約書にも明記するようにしましょう。

コスト面では、初期費用こそ抑えられますが、その後は家賃がかかり続けます。どんなに家賃を払っても、自社のものにはなりません。あまりにも長期にわたって同じ倉庫を借り続けると、結局は買ったほうが安く済む可能性もあります。

倉庫を選ぶ際のポイント

倉庫を買うにしても、借りるにしても、使い勝手が良くて、収益の向上につながらなければいけません。そのためには、どのような基準で選べばいいのでしょうか。

使いやすい倉庫を選ぶ

一から倉庫を建てるなら、思い通りのレイアウトにしたり、必要な設備を導入できたりしますが、中古の倉庫を買ってリフォームしたり、借りたりする場合は制限があります。

あらかじめ、どのような環境にしたいのか明確にして、基準を満たしてくれる倉庫を選びましょう。例えば、空調設備や水回り、配線などです。特に食品など、温度や湿度の管理がシビアに求められるものを保管したいなら、妥協してはいけません。

導線も重視したいところです。間仕切りや階段などで動きを阻まれては、効率が下がってしまいます。中古や賃貸の倉庫であれば、退去時に原状回復する前提で、ある程度変更できますが、建物の強度に影響を及ぼす場合は動かせないので、事前の確認が必要です。

交通の便が良いエリアの倉庫を選ぶ

倉庫は荷物を保管するだけでなく、出し入れする作業も発生します。荷物の運搬にはバンやトラックが使われるため、これらがアクセスしやすい倉庫を選ぶのが大事です。駅近や住宅地よりも、郊外の幹線道路に近い倉庫のほうが、利便性は高いでしょう。

当然、これらの車を停められるスペースも必要です。従業員用の駐車場もあると、なお良いでしょう。さらに停留所や駅などの公共交通機関、住宅地も近ければ、人材を集めやすくなります。

このような倉庫は常に需要を見込めるため、買った後で使わなくなっても、売却先や借り手を見つけやすいでしょう。

もちろん、買う場合は初期費用、借りる場合は家賃が高くなりがちですが、それに見合ったメリットを享受できるはずです。

信頼できる不動産仲介業者を選ぶ

中古や賃貸の倉庫は数多く存在します。その中から自社の目的に合ったところを見つけるのは大変です。実際に買ったり、借りたりした後で、不便だったり、何か問題があったりするケースが少なくありません。自社で一から建てる場合も同じです。

これでは、せっかくかけた費用が無駄になってしまいます。

自社の目的に合った倉庫を選ぶには、信頼できる仲介業者に紹介してもらうのが一番です。物件の情報量が豊富ですし、専門的な知識も持ち合わせています。自力で探していたのでは分かりづらい利便性や需要についても、的確にアドバイスしてくれるでしょう。特に、倉庫を専門に扱う仲介業者がおすすめです。

タープ不動産情報では、関東エリアを中心に売り倉庫や貸し倉庫を豊富に扱っております。こだわりの条件で検索できるだけでなく、オーナーとのマッチングも行っており、よりご希望に合った倉庫の紹介が可能です。

さらに、工事や管理も弊社で行っているため、倉庫の購入や賃貸、リフォーム、維持管理に至るまでワンストップでの対応ができます。法務や税務の問題も専門家との連携や蓄積されたノウハウにより、早期の解決ができるでしょう。

倉庫を買うか借りるかでお悩みの際は、ぜひご相談ください。

まとめ

自社で倉庫を買うのは、自由度が高く、資産として活用できるのがメリットですが、初期費用がかさみ、必要性に対して柔軟に対応できないのがデメリットです。借りるのは初期費用を抑えられ、必要性に応じて簡単に借り換えられますが、自由度は低くなります。

どちらが合っているかは、倉庫を専門とする仲介業者のアドバイスが参考になるでしょう。目的に応じた倉庫選びも手伝ってくれます。