事業用不動産の出口戦略!売却で知っておきたい4つの注意点

所有する事業用不動産の効果的な売却を考えるなら、出口戦略を立てる必要があります。事業用不動産は本当に売却するべきなのかも含め、出口戦略の概要と立て方について見ていきましょう。

事業用不動産の出口戦略とは

そもそも出口戦略とは、「損失が出ているときに、いかに損失を抑えるか」ということを目的とした、撤退を図るための戦略です。政策や経営など、さまざまな分野で使われる言葉です。
事業用不動産における出口戦略の「出口」とは、売却のことを指します。売却までに事業を営んでいる場合は、あわせて事業の出口も表します。

出口を売却で見た場合、事業用不動産をいかに高額で売却するかが出口戦略のカギです。はじめから売却目的で購入した事業用不動産ではなく、収益目的で所有しているものについても取得時において出口戦略を立てる必要性が説かれるようになりました。

事業用不動産の売却を見据えた出口戦略が重要なのは、不動産は一口当たりの取引価格が大きいためです。うまくいけば十分な額で売却できますが、うまくいかなければ取引価格が大きい分、損失も拡大します。

損失を抑え、より良い売却を実現するという意味において、事業用不動産の出口戦略は重要です。

事業用不動産売却のメリット・デメリット

事業用不動産の出口戦略は、「損失を抑え効果的に不動産を売却すること」と説明しました。それでは、所有する事業用不動産を売却することは、本当に効果的な手段といえるのでしょうか。

ここからは、事業用不動産を売却するメリット・デメリットについて紹介します。

事業用不動産の売却のメリット

事業用不動産を売却すると、どのようなメリットを受けることができるのでしょうか。

CRE戦略になる

事業用不動産の出口戦略は、CRE戦略にもなります。
CRE戦略とは、企業の保有する不動産を効果的に活用することで企業価値を上げる経営戦略です。具体的な方法として、事業用不動産を運用する、事業用不動産を売却するといった方法があります。

CRE戦略を事業用不動産の売却に限定すれば、不要な不動産の売却は保有する資産を現金に換える効果があります。さらに、売却によって得られる現金により、債務返済、事業資金の調達、決算対策、不動産保有コスト削減、資産価値下落などへのリスクヘッジが可能です。

さまざまなリスクから解放される

事業用資産をテナントに貸して収益物件にしているケースもありますが、いつまでも継続して収入が得られるとは限りません。賃借人が頻繁に変わらない事業用不動産であっても、空室リスクや家賃滞納リスクは存在するためです。

また、事業用不動産を所有し続けることは、資産価値下落のリスクを背負うことにもなります。空室リスクや資産価値下落リスクなど、保有によるさまざまなリスクから解放される点でも売却にはメリットがあるでしょう。

事業用不動産の売却のデメリット

事業用不動産のメリットだけでなく、デメリットも知っておくとリスクを最小限に抑えられる可能性があるため、ぜひチェックしておきましょう。

諸費用などの負担がある

事業用不動産の売却にはコストもかかります。退去にともなう費用や不動産会社への仲介手数料などです。売却で利益がある場合、譲渡所得税も納めなければなりません。

売却後は収益が得られない

事業用不動産を売却するということは、完全に手放し、所有物ではなくなるということです。所有権のあるうちは事業用不動産として貸し出すなどして収益を得ることもできますが、売却してしまえば、その後の収益は発生しません。

保有する事業用不動産の状況と照らし合わせ、売却するデメリットよりメリットの方が大きいときは、出口戦略について検討していきましょう。

出口戦略を立てる前に不動産の詳細情報をまとめておこう

出口戦略を立てる前に実施しておきたいのは、所有する事業用不動産の詳細をまとめる作業です。

不動産を購入した本人であれば、不動産についてよく把握できているかもしれませんが、親などから引き継いだ物件であれば、詳細を把握していないケースも多くあります。

土地の面積や用途地域、土地の境界、前面道路の幅など、売却に必要な不動産情報を調べ直し、しっかりとまとめておきましょう。不動産の各要素を集めることによって、売却予想価格も明確になるはずです。

なお、工場を売却する場合は、土壌汚染などのリスクがあります。専門家にあらかじめ調査を依頼し、状況を把握しておくことが大切です。

事業用不動産の出口戦略で考えるべきポイント4つ

所有する事業用不動産の情報をまとめ、準備ができたら出口戦略を立てる段階です。この項では、事業用不動産の出口戦略の4つのポイントを解説します。

売値目標の設定

事業用不動産の出口戦略は、できる限り高い価格で売却できれば成功といえます。高い価格で売却するためにも、指標として売値目標を設定しましょう。
目標の設定方法としては、購入価格基準、負債額基準、極力高値で売却する3つの基準が考えられます。

購入価格基準

事業用不動産を取得したときの、購入額を基準に考える方法です。
売値目標を、購入額の同額で設定します。購入したときよりも売却価格で損をしないための基準です。

ただし、不動産価格は市況で変わるため、購入から時間が経過しているほど希望どおりに売却できない可能性がある点に注意しましょう。

負債額基準

事業で負債を抱えている場合、所有する不動産に残債があるときに負債額基準を考えます。
これは、借金を清算できる額を売値目標に設定する方法です。負債額以上で売却することにより負債の心配はなくなりますが、負債の額が大きすぎると現実的でない売値目標になることに注意しましょう。

極力高値で売却する基準

なるべく短期間のうちに売却したいのであれば、その状況下で可能な限り高値の額を売却目標に設定します。

更地にするか建物を残して売却するか

事業用不動産をどのような状態で売却するかも、出口戦略では重要なポイントです。売却のパターンとしては、更地にして売却する方法、建物を残して売却する方法が考えられます。

更地にして売却

対象の土地に立っている建造物を撤去して、更地にしてから売却を行います。
更地にしてから売却した方が良いのは、建物に問題があってそのままでは売れないケースです。

そのほかにも、「不動産を賃貸物件にして得られる収益より、土地の資産価値が高い」といたった場合でも検討します。

建物を残して売却

賃貸による高い収益性が見込める不動産であれば、建物を残して売却します。

土地の資産価値と比較して、建物を残した方が高い価格で売却できそうであれば、建物は撤去せずにそのまま売却まで進めると良いでしょう。

売却のタイミング

事業用不動産の出口戦略では、売却のタイミングもよく検討しましょう。

負債の清算を急ぎたいときを除き、事業を継続している場合は当面の事業見通しを考慮して売却するべきです。

たとえば、事業が好調で、利益が大きい時期に売却すると、失敗する可能性があります。事業用不動産の売却で得た利益も課税対象になるので、売却益に事業の利益が加わり利益額が大きくなると、その分、法人税の課税額も大きくなるためです。

事業が好調なタイミングで売却すると、売却で得られるはずだったキャッシュの多くを法人税として納税することとなり、売却はできてもキャッシュがない状態になりかねません。

事業用不動産の出口戦略においては、売却する不動産の簿価(帳簿上の価格)と時価を適切に把握することに加え、本業の損益も考慮しましょう。売却後の財務状況をシミュレーションした上で売却を実行することをおすすめします。

どの不動産会社に仲介してもらうか

出口戦略がうまくいくかどうかは、取引を仲介する不動産会社をどこにするかにもかかっています。

不動産会社にも得意・不得意があり、どの不動産会社を利用するかによって、売却価格や売却のタイミングが変わってくるためです。

事業用不動産の出口戦略を成功させるためには、工場や倉庫など事業用不動産を専門に扱っているような不動産会社を選ぶようにしましょう。

タープ不動産情報も、工場や倉庫などの取引を専門とした、事業用不動産の売買に強い不動産会社です。

事業用不動産の出口戦略を考えるなら、豊富な知識やノウハウを持つタープ不動産情報へご相談ください。

まとめ

事業用不動産における出口戦略とは、「いかに損失を抑え、高値で売却できるか」ということを、計画的に売却するための戦略です。

出口戦略のためには、事業用不動産のオーナー自身が所有する不動産についてよく把握しておくこと、事業用不動産の売却にノウハウのある信頼できる不動産会社を活用することが重要です。