アフターコロナの不動産取引~IT重説の現状

新型コロナウイルス感染症の影響で、飲食業界ではテイクアウトやデリバリーが主流になるなど、ソーシャルディスタンスを念頭においたビジネスモデルへと急変革が起きています。人と接することの多い不動産業界も例外ではありません。IT化が遅れているといわれている不動産業界ですが、アフターコロナを見据えてオンライン化が加速すれば、不動産市場全体の活性化につながる可能性もあります。

不動産売買のIT化がなかなか進まなかった理由の1つが「重要事項説明」

重要事項説明とは売買契約に先立って、宅地建物取引士が買主に対して「対面」にて行う説明のことです。
この対面という規定が、不動産売買の取引において非常に大きな足かせになります。
例えば、都内の投資マンションを販売する場合、都内の投資家だけに売るとは限りません。北海道や沖縄の投資家に売るとなると、重要事項説明をするためだけに買主に東京に来てもらうか、もしくは宅建士が買主のいる場所まで出張しなければならないのです。
しかし、今回のコロナ禍で実はこれらの問題が一気に解消に向かう可能性が出てきました。

IT重説の社会実験がスタート

重要事項説明をスムーズにして不動産取引を活性化させるために、2019年10月からIT重説の社会実験がすでにスタートしています。IT重説とはスカイプやZOOMといったアプリを使用することで、オンライン上で重要事項説明を行うというやり方で、これまで対面で行っていた手続きをオンラインで完結できるので、物理的に会って重説する必要がなくなるのです。
ただ、売買のIT重説は、まだ正式に認められているわけではなく、参加企業による社会実験段階であり、2020年9月30日までを予定しています。現在59 社が登録事業者として参加しており、実際にIT重説を実施できたのは5社(合計で143 件)で、うち139件が投資用物件という結果でした。
IT重説の実施件数がなかなか伸びないのは、対面による安心感がいい、初めてという漠然とした抵抗感、買主側の通信環境が整っていない、というような事情が関係していると考えられます。
本来、IT重説を活用すれば大幅に取引はスムーズに運べるはずなのに、社会全体のマインドが重要な手続きをオンラインで行うということに前向きではなかったのです。ですが、コロナ禍で一転して対面での取引を敬遠する人が増えることから、買主側もIT重説に対して積極的に協力してくれるようになる可能性が考えられます。
今回のコロナ禍でIT重説が一気に普及し、ゆくゆくは不動産取引がすべてオンラインで完結するような時代が来るのかもしれません。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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